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雪に咲く花
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登校すると、下駄箱で黒沢が靴を履き替えていた。
「おはよう、黒沢」
「おはよう」
雪斗の顔も見ずに、気の抜けた声で挨拶を返すと、歩いていってしまう。
「もっと愛想良くすればいいのに、可愛げないやつ」
宿題のプリントのことで、あとからお礼を伝えたときも
「たまたまゴミ箱に落ちていたのを見つけただけたから……」
と、ぶっきらぼうに答えるだけだった。

放課後になり、帰ろうと下駄箱に向かったときだった。
雪斗の前に、斉藤たちが立ち塞がったのだ。
走って逃げようとするが、三人がかりで腕を掴まれ身動きが取れない。
「離せよっ!」
「これから、たっぷり楽しませてもらうぜ」
「嫌だっ!離せ!」
斉藤達に引きずられてきた場所で、雪斗は背筋が凍った。
ここは、校舎からやや離れたところにある体育倉庫、過去に佐々木達に酷い性的いじめを受けた場所だ。
怖い……!
ここで何をされるのだろうか?
扉を開けて中に入れられると、腹を殴られ、地面に突き飛ばされる。

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あきゅろす。
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