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雪に咲く花
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息子は、教師の子供ということで、酷いいじめを受けていたらしく、いじめられた内容や、恨みごと、泣きごとなどが、びっしり綴られていた。
養父は、厳しい教師であり、生徒の気持ちなど理解しようともしていなかったのである。
教師の中では優秀だが、生徒達の間では、疎まれていた。
父親のことが原因でいじめを受けるようになり、誰にも言えず、追い詰められていたのだ。
その事実を知った養父は、今までやってきたことが無意味だったということを思い知らされた。
1000人以上いる、生徒達は勿論、たった一人の息子の姿さえ、見えてなかったのだ。
その後、養父は中学校を退職し、定時制高校の教師となった。
遺書ともなった日記の最後に書かれていた言葉は未だに忘れることが出来ない。
『お父さん教師でなく、父親になって僕の本当の姿を見て下さい』
殴り書きされていた言葉に涙の痕が滲んでいるのが見えた。
悲しみの日々を過ごしていた数年後に、感情をなくした亘に出会ったのである。

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