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雪に咲く花
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「うっ!……ゲホッ!……」
咳き込み、口に入れたものを戻してしまう。
「何だよ……!汚ねえな!」
男子たちが、腕を離すと地面に突飛ばした。
「食い物は粗末にすんなよな」
どっちの台詞だと思いながらも、咳き込んでいると、頭上から残りの弁当をかけられた。
「明日も、いいもの食わしてやるからな」
斉藤たちが、雪斗の腹や尻をひとりづつ蹴りあげると去っていった。
口に入った砂と、体を蹴られた衝撃で息が上手く出来ない。
「大丈夫!?」
後ろの方から声が聞こえる。
声の主は、背中をさすってくれているようだ。
暫くしてから、ようやく落ち着き、声の主の方を振り向いた。
そこには、中性よりの甘い整った顔立ちの少年がいる。
「落ち着いた?酷いことするやついるんだな」
目の前に転がっている、無残な弁当の中身を見て涙が溢れる。
せっかく、姉の美紅が作ってくれたのに……。
どうして、こんなことされなければいけないのだろうか?
泣きじゃくっている雪斗に少年は声をかけた。
「せっかくの美味しそうなお弁当が台無しだね。とにかく、こっちおいでよ。いい場所があるんだ」
「その前に……、口すすぎたい」

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あきゅろす。
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