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雪に咲く花
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昼休みになり、弁当を持つと中庭へと向かった。
おそらく、黒沢がいるだろう。
まさか、なくしたプリントを黒沢が見つけてくれるとは……。
そのことでお礼を言うつもりだった。
しかし、まだベンチは空っぽだ。
「まだ、来てないみたいだな」
とりあえず、座って弁当を広げる。
箸を取り出して食べ始めようとしたとき、足音が聞こえた。
「あっ!さっきは……」
黒沢が来たと思い礼をいいかけたとき、目の前の人物たちに息を飲んだ。
斉藤と仲間の男子たちが立っていたのだ。
「嘘!……。どうして?……」
「いいところで食べてるじゃないか。」
斉藤が弁当を取り上げた。
「返せよっ!」
掴みかかろうとすると、仲間たちに両腕を抑えつけられる。
「結構、旨いじゃん」
斉藤が、唐揚げをつまんで口にいれた。
「ふりかけかけてやるよ」
弁当の上に、砂をかけられる。
「何するんだよ!やめろよ!」
叫び続ける雪斗の口に弁当を近づけられた。
「出来上がりだ。食わせてやるよ」
「やだっ!やめろっ!」
口を開けられ、砂だらけのおかずが突っ込まれる。
口のなかに、ざらざらした砂の味が広がり、むせてしまった。

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あきゅろす。
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