http://mbbook.jp/19730125/
[携帯モード] [URL送信]

雪に咲く花
ページ:2
「先生!」
黒沢が見かねて声をかけた。
「真柴君のプリントならここにあります。ゴミ箱に落ちていました」
突然の黒沢の発言に周りがざわつく。
「どういうことなの?これは……」
黒沢から、プリントを受け取った梨香は訳が分からずにいる。
しわくちゃのプリントを見て、確かに雪斗が宿題をやって来たのだと確認したが、梨香は決まり悪そうに言いはなった。
「まあ、いいでしょう。とにかく、真柴君がきちんと管理しないのがいけないのよ」
頭ごなしに決め付けたことに謝りもせず、梨香はひたすら雪斗を責めた。
梨香だって、こんな状態にあれば、雪斗がいじめられている事に、気づかないはずがない。
いじめの流れに、のせられ、嫉妬により、雪斗に辛くあたっているだけだ。
雪斗にとっては梨香もいじめグループたちと同じだと感じ始めた。
「先生!」
再び、黒沢が梨香に声をかける。
「僕、宿題忘れました。後ろに立ってます」
黒沢が立ち上がった。
「もう、いいわ。次からは気をつけなさい」
梨香が苦虫を潰したような顔をする。
最近になってから、厳しい表情を向けるようになった梨香にクラスメートたちも驚いていた。

[*前へ][次へ#]

2/6ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!