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雪に咲く花
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授業のチャイムが鳴るわずか前に、黒沢が、豆粒状態になった消しゴムをゴミ箱に捨てようとしたときだった。
中に、プリントらしきものが捨ててあるのが見える。
「これは……!」
拾って広げて見ると、英語の宿題のプリント用紙だ。
雪斗の名前が書かれている。
また嫌がらせで、こんなことされたのか。
とにかく、届けなければ……。
「授業をはじめます。席に着きなさい」
始業のチャイムが鳴り、梨香が現れ教壇に立った。
「黒沢君、何してるの?早く席に着きなさい」
雪斗の席は窓際で、黒沢は廊下側、席が離れている。
渡すタイミングを失ってしまった。
「では、授業の前に前回だした宿題を回収しましょう。」
「あれっ……!どうして?確かに入れといたのに……」
宿題のプリントがないことに、雪斗は気づいた。
「どうしたの?真柴君。まさか忘れたの?」
梨香が冷たい瞳を向ける。
「いえ、確かにやって来たんです。でも、みつからなくて……」
「言い訳は見苦しいわよ。忘れたのに嘘をつくのは最低です。それだけ授業を受ける気がないと言うことね。それならいいわ。後ろに立ってなさい!」
どうして、そこまで言われなければいけないのかと拳を握る。

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