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雪に咲く花
ページ:8
「雪斗、ごめんな。俺だってこんなこと言いたくないんだよ。だけど、俺はいざとなれば何とかすることが出来るが、お前はまだ高校生だからこれからの将来がある。ここで下手なことをすれば、お前の人生だって狂ってしまうんだよ。雪斗の兄さんや姉さんたちにまで迷惑をかけてしまうんだ」
兄や姉のことを持ち出されると何も言えなくなる。
「だから、とにかく家にも訪ねて来ないで欲しい。電話とメールだけはするから」
亘との、電話を切ったあと、雪斗はベッドにうつぶせになった。
頭いっぱいに、葛藤がかけめぐってくる。
「どうして……?こんなの酷いよ。何も悪いことしてないのに」
あの時、自分がキスをねだらなければ、こんなことにならなかったのだろうか?
いったい、誰が、あんな画像を流出したのだろうか?
何故、亘の過去まで、明るみにされることがあったのか?
そのことで、何故、自分たちは自由に会うことすらゆるされないのか?
教師と生徒という立場にならなければこんなことにならなかったのだろうか?
見えない悪意で自分たちを陥れた人物が、非常に憎くてたまらない。
しかし、事態はまだ、序の口にすぎないことを予想も出来なかったのだ。

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あきゅろす。
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