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雪に咲く花
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雪斗が登校して校門をくぐると、思い切り、後ろから肩を叩かれた。
「よっ!」
やはり、颯人である。
「おはよう。颯人」
「亘兄とは、楽しめたか?」
「しっ!……学校で大きな声でいうなっていったろ」
雪斗が、あわてて颯人の口を抑える。
「真柴君!」
か細い声が後ろから聞こえた。
振り向くと、背はそこそこに高いが、やせ形のだらしなく髪を伸ばした分厚い眼鏡の男子がいる。
同じクラスの、黒沢叶多である。
「あっ!……おはよう」
「おはよう。あの、これ落ちてたから……」
黒沢が、雪斗に茶色のパスケ―スを差し出した。
「あぁ!いつの間に?ありがとう。気がつかなかったよ」
雪斗の礼の言葉が言い終わらないうちに黒沢は歩いていってしまった。
「へんなやつだよな。あいつ」
颯人の言葉に、雪斗も賛同する。
「うん、せっかく背が高くてスタイルいいのに、あんなメガネと髪型へんだよな」
「それに、あいつ何を話しかけても、ロボットみたいにしか返事が返ってこないんだぜ」
黒沢は、そんな外見と周りとコミュニケーションをとらないことから、クラスでも疎まれており、空気みたいな存在であった。

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