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雪に咲く花
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「あっ、ああサンキュー……。お前、女じゃなかったんだな?」
俺の言葉に歩ちゃんは、一瞬きょとんとしていたが、すぐに笑いだした。
「もしかして、僕のこと女の子だと思ってたんですか?」
「あっ、まあな。悪いな」
「気にしないで下さい。私服を着てるとよく間違えられるんです。はたから見ると男がお菓子作りなんておかしいですよね。でも、僕はお菓子が好きだから」
「いや、そんなことはないけどよ……」
そういえば昨日も男っぽい服装だったけな。
男と分かってもやっぱり、彼は可愛い。
しかし、もう、どうしようもないんだよな。
俺の恋は、たった一晩で儚く散ったのさ。

施設に帰り、彼から、もらった包みを開いた。
中には、マドレーヌ、トリュフチョコ、クッキー、等が数種類入っている。
そのなかで、大きめの熊の形をしたクッキーを見つけた。
熊の肩から腹まで服を着せるようにピンクにコーティングしてあり、胸の部分には『ありがとう』と、デコペンで書かれている。
一番大きいクッキーが歩が作ったと言ってたから、きっとこれが彼の手作りだろう。
歩の感謝の気持ちが伝わってくるようだ。

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