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雪に咲く花
ﾍﾟｰｼﾞ:5
桜の花が満開に咲き乱れた頃、亘が新任教師として雪斗の通う高校に赴任することになった。
「亘、女子たちに誘惑されたりするなよ」
「亘兄も良かったな。無事先生になれてよ、でも悪い影響を与える先公もいるから気をつけたほうがいいぜ」
雪斗と颯人がそれぞれにからかうと、亘が二人の頭を軽く小突いた。
「こら！教師の前で出す言葉じゃないぞ。気をつけろ！それから学校では先生と呼びなさい」
「何だよ！早速先生ぶっちゃってさ」
「しゃあないや、先公なんてもんは頭固くなきゃつとまらないんだからな」
「お前ら、言ってるそばから……全く……」
呆れている亘に雪斗と颯人が言った。
「今日からよろしく……先生」
「よろしくな、亘兄、いや亘先生」
亘が二人を見て笑った。
冷たい雪の中で咲いた花
散った花びらは、思い出と言うページに移動していく。
新たな物語は桜の花に囲まれて、始まろうとしていた。
完
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