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雪に咲く花
ページ:8
颯人が施設に入って一年以上たった頃、入院していた彼の母親が他界したのだ。
病気が治ったらまた母親と暮らせると信じていた颯人にとって落胆ぶりは半端なかった。
それでも、見栄っ張りな颯人は「母ちゃんいなくなって俺一人で生きてかなきゃいけないんだ。俺、強いからメソメソしないんだぞ」
と強がっていたのだ。
母親の死後、颯人は夜空の星を一人で見上げていた。
母が元気だった頃、流れ星を一緒に見て語りあったときを思い出すと涙がこみ上げてきた。
その時、ふと足音が聞こえ振り向くと亘がいたのだ。
「何で鉄仮面がここにいるんだよ!?俺は一人で星をみたいんだよ。邪魔すんな!がり勉は大人しく本でも読んでろ!」
泣き顔を見られた颯人は決まり悪くなり、亘に憎まれ口を叩いた。
そんな颯人に、亘は近寄り顔をのぞきこんで言ったのだ。

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あきゅろす。
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