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雪に咲く花
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午後3時を過ぎたファミレスはようやく客が減っていた。
雪斗は客の使った食器を片付けている。
前のアルバイト先が閉店してから、颯人に誘われて一緒にここでアルバイトする事になったのだ。
「あの女がどうなろうと知ったことじゃない」
聞き覚えのある声がした。
「えっ……!もしかして」
はっとして振り向くと、なんと隅の視界にはいりにくい席に亘がいたのだ。
「うわっ!偶然」
「そんなこと言わないで一度顔を見せてあげてくれないか?君のたった一人の母親じゃないか」
「あんなやつは母親じゃない!会うつもりなどこれっぽっちもないからもう訪ねて来ないで下さい!」
別の男の声が聞こえ、亘が怒り口調になった。
見ると、ややがっしりした体格の中年男性が座っている。
「あっ!それは私が……」
「結構です!あなたにおごってもらう道理はない」
亘は伝票を持って冷ややかに言うと、席をたった。

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