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雪に咲く花
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停電の日の晩に、亘と肌がふれあったことで雪斗のきずあとは、少しづつ癒されていった。
3日ほど悪夢に悩まされ過呼吸を起こしたが、亘の献身的な介抱により恐怖と苦しみが和らいでいったのだ。

「難しいよ。変な暗号がごちゃごちゃしてさ」
「全体をみるからいけないんだよ。一つ一つ解いていけば必ず答えはあるんだぞ」
「亘とは頭の作りが違うんだよ。簡単に言わないでくれよ」
亘が学校を休んでいる雪斗に勉強を教えていた。
もともと数学が苦手な雪斗にとって細かい数式は催眠術のようなものである。
うとうととする雪斗の頭を亘がこづいた。
「こらっ、真面目にやらないなら学校行かせるぞ」
「何だよ!先生でもないのに!一問解くのにエネルギーいるんだよ」
なるべく、遅れをとらないように亘は根気よく勉強を教えた。
渋々勉強していた雪斗も、それなりの理解はするようになってきたのだ。
「ところで雪斗、大事な話があるんだが……」
亘が何かを決心したように言った。
「お前もこのままの状態でいるわけにいかないってことは分かるだろ?」
亘の言葉に、そろそろ帰るように言われるのだろうと思い不安がよぎる。

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