もっと壊して【シン】#
「別れましょう」
何かが崩れた気がした。
『私のこと嫌いになった?』
なのに何処か冷静自分がいる、こうゆう時自分の性格が憎らしくなる。
「いいえ。寧ろ前より好きになりました。」
『ならどうして?』
シンは眉をはの字にして苦笑いした。
「俺凄くシオン先輩が大好きなんです!でも…俺には貴方を愛す資格が無いんです。」
私の中で何かが壊れた。
『資格って何?』
「え?」
『人を愛すのに資格っているの?』
シンは目を見開いた。
それはきっと私の目から流れる物を見たから。
『シンに私を愛す視覚が無いって言うなら、私の気持ちはどうなるの?』
涙で視界ぼやける、私の前にはシンが居るのに滲んで見えない、手を伸ばせば届く距離に居るのに否定されるのが怖くて手を伸ばせない
『どうしようもないくらい、シンが好きなの!!この気持ちはどうしたらいいの!?』
「…俺だって!」
黙っていたシンが大声で叫びながら、私を抱きしめた。
「俺だってどうしようもないくらいに、貴女が好きだ!」
『なら何で!?』
「怖いんだ、貴方を壊しそうで、傷つけてしまったら貴女の心が放れて行ってしまいそうで怖いんだ…」
言葉を発する事に私を抱きしめるシンの力が強まっていく。
『なら壊してよ…』
「なっ!?」
『シンが居なきゃ生きて行けない位に、もっと壊してよ…』
シンは驚いた顔をして私を見た。
『私は貴方が好き過ぎてとっくに壊れてる。』
私の言葉にシンは痛い位に力を入れて私を抱きしめた。
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