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闇に消える君【沖田<切>】




暗闇の中に一席の船、その上に二つの影、一人は高杉晋助、もう一人は良く見えないが、女であることがわかる



『総悟』



顔は分からないでも聞き覚えのある声、まさかと思ったでも俺があいつのこえを聞き間違えるわけない。



『総悟』

「Σ小百!?」

『ふふ…いいねぇその反応』



俺はこんな小百を知らない。
俺の知る小百は自分の事をあたしなんて言わない、人を見下したように微笑まない、皆に好かれて、太陽のように笑う奴なのに今目の前に居るのは小百の顔をした別人。



「何で…小百が高杉の隣に…」

『あぁ、あたし高杉晋助の妹だから』



俺は言葉を無くした。




『あ、知らなかったんだ?』

「………」

『真撰組も落ちたものね。ねぇ兄さん?』

「くっくっく…まさか自分の惚れた女が裏切る何て思っても見なかったんだろうなぁ」



高杉は俺を見透かしたように皮肉に笑う



「小百」

『何?』



平然とした声が胸を締め付けるようだ。



「…今までお前が言った俺への言葉は全て嘘だったんですかぃ?」

『…ふ…ふふ……あはは…!!』



小百は突然腹を抱え笑いだした。



「何が可笑しいんでい!?」

『はは、だって今更何言ってるの?』

「う…そ…だったの…か…?」



涙が流れそうになったのを固く目を閉じた。



『嘘なんて無い。』

「……」

『総悟のへの気持ちに嘘なんてないよ。ただ……』



俺は目を開き真っ直ぐ小百見つめて次の言葉を待った。



『ただ、貴方より兄さんを選んだだけ。(ニコッ)』



声音だけでわかった、小百は今俺に見せていた太陽のような笑顔をしているって



「…もう…俺の元には戻って来ないですかぃ?」

『……戻らない。』



凛んとした意の固い真っ直ぐな声が響いた


「……そうです…かぃ」

『さよならだよ。』

「いや……さよならじゃねえ…」

『じゃあ何?』



俺は少し黙ったあと真っ直ぐ小百を見た。


「あんたを切る!」

『…貴方に、あたしが切れるかな?』

「切りまさぁ」

『ふふっ楽しみにしてるよ。』

「小百時間だ」

『わかったわ。……じゃあね総悟、また会える日を楽しみにしてるわ。』




そういうと彼女は闇に消えた。



「いつか……いつか必ず切りまさぁ。」



闇に消える君







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あきゅろす。
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