[携帯モード] [URL送信]

Main
私立排球中学2[1時間目]  (黒尾・日向・影山)
1時間目。
これから1日の授業が始まるという、少し憂鬱にはなるが1番やる気が出るときでもある。


今日の最初の授業は、黒尾先生の数字だった。


・・・って、宿題やってねーし!!

昨日は、すっかり宿題という存在が頭から抜けていた。
あーあ・・・どーしよ・・・
どうにかしてごまかせないかなぁ・・・
でも黒尾センセ、そこら辺けっこー厳しいからなぁー・・・

あ、でも、やったってどうせ答え分かんないしいいや。


そうこうしている内に、黒尾先生が教室に入ってきた。
そして今日も相変わらず奇抜なトサカヘッドであった。


「おー、お前らー。始めるぞー。」

そして、最初のチャイムが鳴った。





「で、xは-3だとわかるから、この式に代入して・・・」


あー、駄目だ。さっぱりわからん。
前の黒板には、色々とよくわからない操作をした後で、y=7×3という式が書いてあったが、どこをどうしたらこうなったのかが意味不明だ。

というか、そもそも式の中にあるカッコ、どんな意味だっけ・・・小学校のとき習った気がするのに・・・・・・。
昔のことだから覚えてない・・・・・・。


「じゃあ、この答え。えーっと、今日は5日だから・・・・・・5番、影山。ここの答え言ってー。」

あー、やっぱり影山か。
自分の出席番号と同じ数の日はまず当たるからなぁ。
ちょっと同情しないでもないが、
まあでもこれ、結局は、7×3すればいいだけだし。簡単だろ。

「・・・・・・」
「・・・・・・影山?」
「・・・・・・」
「オーイ、影山ー?」
影山が答えないので、
早くせい、と黒尾先生は影山に視線を送る。
すると影山は、



「・・・・・・に、23?」



「・・・・・・えっ」



「・・・・・・お前・・・バカかっ!?」
ま、まさか・・・ずっとこれまでアイツはバカだバカだって思ってたけど・・・
ここまでとは・・・・・・

「・・・影山?7×3。7が3つあるだけだぞ?」
黒尾先生がちょっと焦ったように言う。
「・・・23。」

おい待て。何があった。
意地張ってるだけか?それとも、

「本物・・・?」
「あ¨ぁ¨!?」

いや、そんな風に凄まれても・・・
さすがにちょっとそれはヤバイと思いますよ、影山クン。


「こらこら、日向、影山。いがみ合ってんじゃないぞー。」
「・・・・・・ウス。」
「・・・・・・はぁーい。」
「あと、影山は後でこっち来い。」
「・・・・・・え」
え、じゃねーよ。お前、相当ヤバイからな・・・・・・?




「・・・んじゃあ、結局、この答えは?日向。」
「23ッス!!」

え??とクラス中がぱっとこっちを向く。
あれ・・・なんか変なことしたっけ・・・?
・・・・・・っあ!?

しまった、
「影山がアホなこといってたせいでつられた・・・!!に、21!!」
「誰がアホじゃボゲェ!!」

「正解・・・・・・だけど、俺はお前らがなんかもう、すっごい心配だよ・・・」
黒尾先生は、んー、と唸るようにした。

「・・・影山、日向、一応の確認だ。」
・・・確認って何の?
「7×6は?」
見れば、先生は少し祈るような目で俺達を見ている。

やだなあ、そんなに頭が悪いハズないじゃないか。
確かに実は7の段苦手だけど、大丈夫、大丈夫。

7×6。
その答えは・・・



「「44です!!」」



黒尾先生が脱力してズルッと滑り、
そして教卓に頭をガンッとぶつけた。

[*前へ][次へ#]

4/6ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!