[携帯モード] [URL送信]

Main
私立排球中学1[登校編]    (日向・影山)




「オイ、日向ー!本気で走んねーと、遅れるぞー!」
「うぇ、マジでっ!?やっべ!!
ってゆーか、おれを抜かしてんじゃねーぞ、影山!!」

おれの隣を走り抜けていった影山に負けじと、全速力で追いかける。

やっとの思いで影山に追いつくと、
「影山、あと何分だっ!?」
「5分!!」

いやはや、それにしても、
こんなにギリギリなことは久しぶりだったなあ・・・
いつもはあと5分ぐらい早く家を出ているのに。

今朝は、家を出る直前になって筆箱を忘れていたことに気がついたり、
道路の溝に足先を引っかけて顔面から着地したり(そのときまわりの人に笑われた・・・くそぅ・・・)
と、かなりアクティブだった。

・・・き、今日はいろんなことが重なったからこうなってるけど、あれだからな!!
遅刻常習者の影山とは違うんだからな!!

と、自分の中で言い訳をしていたら、やっと校門が見えてきた。

門の脇に立っている警備員の山口さんに大声であいさつをすると、
「あと3分だよー、がんばれー」
と後ろで声をかけてくれた。

ありがたい・・・
けど、あと3分・・・!
本当にギリギリでチャイムが鳴り終わるまえに席につけるかどうか、といったところだ。

隣の影山も必死。
校舎からは、窓から犬岡が「おー!ふぁいとぉー!」と言ってきて、走りながらもバッと振りかえって大きく頷いた。

上履きに履き替えるのにも時間が惜しくって、そのまま手に持って靴下で教室目指してただただ走る。

おれ達の教室、3階だから、階段が、
難、所、なん、だよ、なぁっ!


そして、教室のドアをバアンッ!!と騒々しく開けて、チャイムの、
キーンコーンカーン、コーン・・・の、「カ」のところでなんとか席に座ることができた。

セーフ、とここ数分の自分の頑張りを褒めて、
一気に、間に合ったー、という安堵が来た。

一息ついて教卓の方を見ると、
おれのクラスの担任の赤葦先生がちょっと呆れた目付きでおれ達を見ていた。


「あー・・・、ん、ではまあ、
ホームルーム始めますよー・・・」



だいたいこんな感じで、
少し慌ただしい私立排球中学校の1日は始まるのであった。

[*前へ][次へ#]

2/6ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!