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読み物(長編)
転調5
『はい、これ』
ぽすっとミサトの手におかれたユニフォーム。白と黒のツートンカラーに赤で番号がふってある。
『メグミにお礼言っておきなさいよ。』
「ええ。」
『早くしないと遅れるわっ!ほらサッサと着替えなさいよ!!』
「はいっ…」
他の女子達にはもう既に着替え終わっている生徒もいた。
ミサトは着ていた白のワンピースを脱ぐ。途端に露わになる未成熟な身体。腹から胸にかけて走る大きな傷跡。
ハッとなるミサト。「(…隠さなきゃ…)」
「桂木さんその傷……。」
やはり見られていた。女子全員の視線がミサトに‥。
「ぁ‥あぁ…昔ちょっと事故にあって…」
「可哀想ね…。」
「へ、平気だから大丈夫♪大丈夫♪」
 やめて
 やめて
 やめて
ソンナコトイワナイデ
ごまかすようにさっさとユニフォームに着替える。
サイズも小柄で丁度良い。‥ただ発育の良いミサトにはちょっと胸の辺りがきつかった。
「あ‥アスカさん。メグミさん。…どうかな?」
スレンダーな身体にクールなユニフォームが映える。
「私以上に似合ってるじゃない!!カッコいいよ♪」
飛んで喜ぶメグミ。
『似合ってるけど…胸キツキツじゃない…。あんた!だからなんでそんなにおっぱいが大きいのよっ!!』
「…ごめんなさい……。」
『きぃぃ!そこで謝るんじゃないわよっ!』
「まぁまぁアスカ…。そこに怒ったって仕方ないよ…。ね?ほらそれよりも早く行かないと…。」
頭に血が昇りかけているアスカをなだめるメグミ。
『そ、そうね…(あのおっぱいがますます大きくなるんだから信じらんないわ‥一体どうなってんのかしら)』
朝はっきりと分かったことではあるが、もう一度自分のと比べてみる。・・・やっぱり小さい・・・。
少ししょげたものの、着替え終わったアスカ達は体育館へと向かうのだった。

体育館ではもう男子達が既に走ってウォームアップをしていた。
「なぁケンスケ‥?」
「な‥なんだよ‥?熱っぽく言うなよな‥気持ち悪い。」
「…カメラ‥ちゃんと持ってきたか?」
ふだんの1.5倍ほど目尻が下がり鼻の下がのびているトウジ。
ケンスケはというとビデオカメラを丹念にレンズクロスで磨いている。
「勿論だよ‥。なんたってこの時間は…」
「「ミサトさんのユニフォーム姿御披露目会♪」」
『はぁ…』
相変わらずのトウジとケンスケについ溜め息をついてしまうシンジ。
「なんやセンセっ!不満があるんか!?ミサトさんのユニフォーム姿やで!ゆ・に・ふぉお・む!」
「そうだぞ碇…もう二度とはないシャッターチャンスだッ!碇は興味ないのか!!!!」
『…そ、そりゃあ僕だって全然興味が無いわけじゃないよ!』
「ほほぅ♪否定はしないか・・・♪」
しめたっ!とばかりにケンスケがつけ込む。
あぐらをかいていたトウジも乗り出してシンジにじりじりと近づいてきた。
「なんやセンセは相変わらずムッツリやのぅ♪ ミサトさんの胸、ミサトさんの太股、ミサトさんのふくらはぎぃ〜♪ ぁあ〜ん♪いやぁ〜ん♪」
『や、やめてよ!!(恥ずかしいじゃないか…。)』
「はははっ♪やっぱりセンセはムッツリやのぅ…さてそろそろ女子軍団の登場やな♪ぁあミサトさん♪」
『………。もう…。』


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