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読み物(長編)
BEGIN1
シンジの問いに皆黙ってしまう。
リツコが口を開く。「‥恐らく原因は、プラグからの汚染…それとミサトの何かしらの欠陥…
それが重なって今回のことが起きてしまったと考えられるわ…。」
「ミサトさんの欠陥って…そんなの‥。」
納得出来ないシンジそんな彼にリツコは言葉を重ねる。
「…ミサトがセカンドインパクト唯一の生存者ということは知っているわね‥?」
《父は私を庇って…死んだの…》
…前にミサトから直接話された記憶…
「…はい。」
「その時、彼女は父親を亡くしてしまってる‥。その事もあって失語症に陥ってしまってるわ。
人間の基本性向の構築において大切な思春期に、それだけの体験をしてしまっている。この事は簡単には拭い去れない。そのミサトの精神的不安定な部分…。欠陥とはそういう事よ…。
プラグの汚染もそういった深層心理に働きかける。それはシンジ君、あなたが一番知っていることじゃない?」
「……。」
黙ってしまうシンジ。でも少し自分のなかで合点がついた。
そんなシンジとは裏腹に不振感をつのらせる加持。何もかもが急な展開 。緊急事態というのに恐ろしい程に落ち着いているリツコ。


「…あのリツコさん…。」
「なあに?」

「ミサトさんは…どうなるんですか?」
「取り敢えずは休養後、いろいろ調べるわ。不明な点も沢山あるもの。」
『私たちの保護者はどうなるのよ?…6日後に三者面談もあるし』
アスカが尋ねる。
「‥保護者…。そうね‥加持君?」
日向と話していた加持はハッとなる。
「…へ?」
「あなたこの子達の保護者よ♪」
「はぁ?!俺に保護者ってのは向いてないぜ…?」
「誰も他にいないの。マヤだって日向君だって青葉君だって…皆忙しいんだから」
「俺が暇人みたいにいうなよ…」
涙目の加持
「加持君いいわね?上司命令よ」
明らかに使い方が間違っている。
「とほほ」
しょうがなく従う加持。そんな加持とは逆に目がドンドン輝いていくアスカ。
『加持さんが私たちの保護者〜♪』
元気のなかったアスカにとってこれは朗報だった。


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あきゅろす。
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