freedom
うわぁ、需要のなさそうなジャンル
(※山本君と綱吉君が激しくキャラ崩壊してるので要注意)
俺には隠れた趣味がある。人には絶対ばれたくない趣味だ。
それは……
「んー?ツナ、ホモとかって平気なのなー?」
「十、十代目……このことは誰にも言いません……からね……」
「………………………そうしといてくれる?」
早速バレてます。バレちゃってます!!!獄寺君引いちゃってるよ!!!どん引きだよ!!!
俺の友人の手には……
『白蘭君と正一君〜マシュマロと恋の関連性〜』『フランホイップ〜カエル総受特集!〜』
あーもー!!!!見られたくなかったのに!!!
「ハハハッ、これ“大人向け”じゃねーか!」
嫌ー!!口に出して言わないでーーーー!!!何かすっごい惨めな気分なんだけど!!!!
「十代目……オレ、失礼しますね……ホントスミマセン……この借りはちゃんと返しますから……」
獄寺くぅぅぅぅぅぅん!!!!そんなに目線逸らさないでよ!!!口元押さえながら逃げないでぇぇぇぇぇぇ!!!!
凄く鳴きたい衝動にかられた俺の肩を、山本が叩いて笑顔でこう言った。
それはとてもじゃないけど信じたくない言葉だった。
「じゃ、俺がガチホモでツナの事好きでも問題ないのなー!」
「誰か嘘だと言ってくれ!!!!!!!!!!」
信じないぞ!!!俺はそんな言葉に騙されたりしないぞ!!!たとえ爽やかスマイルでもこれは幻覚に決まってる!!!!
「それに大人向けの漫画もあるって事は、俺がツナのピーーをピーーしてピーーとかしても大丈夫って事だよな!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
俺は全身の肌をこれでもかって程に逆立てて、たまらず逃げだした。はっきり言って俺関係の同人誌は一冊も持っていない。だって自分が雲雀さんや骸やら獄寺君やらザンザスやらスクアーロやらディーノさんやらリボーンやら白蘭やらスパナやらとにかく男といちゃいちゃするなんて冗談じゃないよ!!!!
俺は部屋から出て、ショックが大き過ぎたのか未だにフラフラしている獄寺君も追い越し家から飛び出した。
「ハハハッ!ツナってやっぱり足遅いのなー」
「ひいいいいいいいいいいいい!!!!!」
さすがスポーツマンと言うべきか、ただ単にオレの足が遅いだけなのか真後ろ……背後10センチの位置にまで山本が迫って来ていた。
「怯えるツナも可愛いのな!」
「黒山本だーーー!!!!黒山本がいるーーー!!!!!」
そんな恐怖の闘争劇も長くは持たなかった。何が持たないって俺の体力が持たないんだよ!!!!相手が悪すぎる!!!!!
そんな訳で定番のパターン、石に躓いたオレ。獲物を仕留めたかのような恍惚とした表情を浮かべる山本。
「そんなに怖がることもないだろー?」
「鼻息荒いし目が笑ってないし!!!!!誰でも怖がるよ!!!!」
っていうかおかしいよ!!!!
何で山本が変態チックなの!?やっぱりここは超王道の……
「ツーナーっ!」
俺は再び逃げ出そうと思って立ち上がったが、腕を山本に掴まれ気が付けばドアップで彼の顔。
「って痛い痛い!!!腕に指が食い込んでる!!!!」
「だってそうしねぇとツナ、逃げるだろ?」
「逃げるにきまってるよ!!!!!!それより顔近い鼻息かかってる気持ち悪い!!!!」
ハァハァしている山本を目の当たりにして、オレの中で爽やかスマイルの山本のイメージがどんどん崩れていく。と、顎をぐっと掴まれ。
「ん、んんんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!?????(ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」
こんな事があっていいのか!!!!唇が重ねられた。最悪だーーーー!!!!!オレのファーストキスの相手が男だなんて!!!!!……かろうじてクロームって線もあるけど……。いや、でも京子ちゃん相手がよかったのにーーーーーー!!!!!山本の馬鹿ーーーー!!!!
「んん!?んんんん!!!!!」
そうこうしてると山本の下が唇を舐めはじめた。滅茶苦茶気持ち悪い。おまけに口の中に舌を入れようとしている。不快感以外の何物でもない。受けの気持ちがわかる気がするけど……一生こんな体験したく無かったよ!!!!!!!
「んふむが!!!!」
そうこうしてるうちにベロチューしようと口の中に侵入してきた。これは、知識上非常にオレの貞操が危ない。暴れても山本の腕が離れる気配がしない。
……山本には気の毒だけど、あの手を使わせてもらおう。同人誌で変態ネタだって読んで来たし、裏ゾーン突入を回避する術ぐらい知ってるんだからな……!
―――ごめん山本!!!!!
ガブッ!!!!!!
「あ゛い゛れ゛ーーーーーっ!!!!ひょーれふらろら……!!!!!!(あいでーーーーー!強烈なのな゛……!)」
オレに舌を噛まれた山本は思わず飛び上がって、俺を解放したかと思うとブルブル震えながら口を押さえて涙目だ。……さすがに気の毒な事をしたかな……。
「だ、大丈夫……?」
すると奴はポツリと呟いた。
「俺って、M攻めの素質あるかも……」
「うわぁ、需要のなさそうなジャンル」
(変態キャラは骸に任せようよ)
(もちろん骸ツナ以外で)
(あー、骸ならM攻め見つかるかもな)
2010/02/27
※雨笑い様に提出
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!