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元拍手
きっと終焉前の関係性



俺達の心はすれ違って真っ二つ。



* * *



なんでだよ……?


約束通りに昇降口に行ったけど、まだツナはいなかった。


だから教室に残ってんのかなって思って教室に引き返すと予想通りツナがいた。


いたんだけど……、


「……!」


「ご、ごめん!!!!」


ツナは逃げるように走って教室から出て行っちまった。


どうやら、見られちまったみたいだな。


数学の時間に俺は何とはなしに落書きの合間に、あいあい傘を描いた。


右側は『オレ』、左側には『何よりも大好きな奴』ってな。


照れくさくて本名は書けなかったんだけどバレちまったか?


誰よりも当の本人のお前には知られたくなかったんだ。


だって、俺がお前のこと好きだってバレたら、もう友達じゃいられねぇじゃねぇか……。


ツナは優しいからはっきりは言わないんだろうけど、ダチがホモだって知ったら嫌いになっちまうんだろうなぁ……。


「っくしょお……」


俺は一人で家路を辿った。


明日からは、もう一緒にいられねぇんだろうなって考えながら―――



* * *



見るんじゃなかった。


オレは激しく後悔していた。


まさか本当に山本に好きな人がいるなんて知りたくなんかなかった。


現実逃避し続けるつもりだったのに、俺の恋は実る事がないなんてことは分かり切っていたのに……。


好奇心なんかで余計な詮索しなければよかったんだ……。


おまけにそんなところを山本に見られて、逃げてしまった。


山本を見た瞬間に胸が張り裂けんばかりに痛くて直視できなかったのは事実なんだけど何も逃げちゃいけなかったんだ。


明日、謝ったら許してくれればいいんだけど……。



* * *



「おはよー……」


翌日、教室で見かけた山本は何か考え込んでいて教室に入ってきた俺に気づかなかったみたいだった。


「山本?」


「あ、ツナかー。わりぃ、ちょっと考えごとしててなー」


そういう山本はなんだか泣きそうなのを無理して笑ってるみたいだった。


「おいこら!10代目に心配かけんじゃねー!」


「いいよ!獄寺君!!」


いつもみたいに突っかかって行く獄寺君をなだめてると、ふと山本は強引に俺の腕を引っ張ってツナ借りてくぜって獄寺君に言って、俺を廊下に連れ出した。


「山本「いいんだぜ、無理しないで」え?」


オレは山本が言ってる意味がわからなかった。


「無理して俺の親友で居続ける必要なんてないんだぜ?」


それはとても、とても悲しい笑顔だった。


「な、に……言って「じゃあな、沢田」え、待って!!」


山本は俺のことを沢田って呼んで階段の方向に駆けて行ってしまった。


ひとり残された俺。

「どういう、事なの……?」


追いかけなきゃって思う半面、沢田って呼ばれた事に涙がじわじわ滲み出てきて、俺はその場で立ちすくんでしまった。


チラチラ視線も感じるけど俺はどうしても涙を抑えることができなかった。



* * *



傍にいてくれること
それだけで俺は幸せだったのに






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