非日常的な日常
2
そんな感じで沢田君達は全員病室から追い出された。
「なんか、ツナ可哀そう。報われないっていうか……」
「まぁね、そんな所も可愛いんだけど。」
「ツナはおもしれー奴らに囲まれてるからな!」
「本当にほぼ個性的だよねー。普通なのは山本くらいじゃ……ってっやややややややや山本!?//////」
「ワォ、いつの間に……」
いつの間にか空音のすぐ隣……、というより密着してるとも言えるような近さに山本が座っていた。当然顔も近くなるので空音は顔が真っ赤になるのを抑えられない。
「ちょっと空音に言いてぇ事があったから、さっきの看護師さんから隠れてたんだぜ!」
「あたしに言いたい事!?」
この瞬間空音の脳内ではいろんな妄想が湧き溢れた。
(もしかしてここここここここ告白とか!?いやそんな都合がいいわけないか。野球の事!?いいやあたしに言う訳ないか!きっと恋愛相談!そう、実は俺獄寺のことが気になって……とか!うわ萌える!またはピ―――がピ―――のピ―――であたしに何とかして欲しいとか!?放送禁止用語炸裂!)
空音の素晴らしい妄想なんてつゆ知らず、山本はフゥと一息ついて切り出した。
「っと、あの時はありがとな」
「あの時………?ああ!ランチアの時!?」
思考を巡らせ、空音が言うと山本は大きく縦に頷いた。
「ああ、あの時空音が庇ってくれなかったら俺もっと大怪我してたかもしんねぇ」
(あれ?あたし邪魔かな……?)
なんだかいい空気の二人に理沙は気を利かせて(?)病室からするりと抜け出した。
「ううん!気にしないで!結局あたし山本の役に立ってないし!」
「んな事ねえって!俺、嬉しかったんだぜ?」
「っ…!!!!//////」
無造作に髪の毛をクシャリと撫でられ空音は返す言葉を探す余裕が全く消えてしまった。
「怪我は大丈夫か?」
「うううううう、ううううううん!/////////」
(空音!返事になってねぇよ!)
病室の外でどこかの誰かさんは聞き耳を立てていました。
「そっか、ちょっと聞いていいか?」
「なななななななんでございますでしょうか?」
(何キャラ!?)
「あの時、なんで俺を庇ったりしたんだ?」
「えーっと……、うーんと……本能的に?」
(お前は動物か!?)
「本能かー!なんだかすげーな!」
(そこはツッコめ山本ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!)
「凄くなんかないぜよ!!///山本は俺のよmってなんでもない!!(いかんいかん!!!何気にあたし爆弾発言しそうだったぞ!)」
(ああ……、『山本は俺の嫁』な。よく自重した!GJ空音!)
ほとんど言いかけた時点ですでにアウトというツッコミはスルーしましょう。
「??ま、理由はどうにしろお礼しないとな!」
「お礼!!??(まさかあたしに本物山獄を見せてくれると!?)」←それはない。
「ってもなぁ……、空音のほしーもんとか分んなかったから、とりあえず空音、お前の住む所を確保ってことでいいか?ほら、お前ツナんちに住むの遠慮してただろ?」
((フラグ立ったぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!))
二人の心の声がぴったり一致した。
「俺んちに住まねーか?」
「這買uハッ!!」
(こういう場面で本当に鼻血出す人初めて見た!)
空音は盛大に鼻血を噴き出して倒れたとかなんとか……。
拝啓 神様(ティファナ除く)へ
いい夢を見ました。
あの歩く18禁の山本と同居できる夢でした。
こんないい夢を見させてくださってありがとうございます。
敬具
Ps.ところで、あたしが起きた時にはちゃんと3次元に戻れてるんでしょうか…?
桃原 空音より
謹啓 ティファナとかいう名のクソ神へ
早く元の世界に返せ。
謹白
夜乃 理沙より
09/8/6
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