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非日常的な日常
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「ベルの部屋はこれでおしまい!後は……ルッスーリアの部屋はやらなくていいって言われたから、レヴィの部屋でお掃除終わりかぁ……」

メイド修行のおかげでメイド服にも慣れ、バッチリ家事が出来るようになった優菜です!

ヴァリアー幹部達はみんな9代目を……まぁ、ご存じのとおりモスカの動力源確保に行っちゃってます……。

思う所はそりゃぁありますよ……。

これでも反対したんですよ?……ちょっとだけ。

だって言うだけで足も体もガクブルだし、レヴィはともかくあのルッスーリアにまでキレられましたもん……。

「まさかあんたにそんな権限あると思ってんの〜?」とか「部外者は邪魔だぁ。すっ込んでろぉ」とか「ウゼーよ。メイドの分際で逆らうんじゃねぇーし」とか「はぁ?何様のつもりなんだい?」とか「逆らうというなら殺すぞ!」とかね……。

ボスは何も言いこそしなかったものの、えーっと……撃たれましたよ?

うん、とっさにバリアー張ったから良かったものの、後0.01秒でも遅れたら本気でヤバかったです。

もちろんそんなに堂々となんて言ってないですよ?小声でポロって言っただけなのに生命の危機ですよ!!!

ヴァリアーはサバイバルです……。

レヴィの部屋もチャチャッと終わらせて、モップを片付けるために掃除用具庫に向かってるあたしは完璧にメイドが板についちゃってます。

あ、今はこの屋敷の中にはあたしを含めて10人しかいないですよ?

残りの9人は全員バッチリ殺し屋ですけど……。

さて、モップを片付けたあたしはここでようやく夜食。

時計を見ると午後11時を指してます。

ヴァリアー隊員の晩御飯を作った時に多めに作った分のご飯を頂いて、あくびを一発。

「御馳走様でしたー」

最後に食器をみんな食洗機の中に入れて、洗濯物をそれぞれの隊員さんの部屋に届けながらようやく自分の部屋に到着。

洗濯物を届けるのって人数が人数だからめちゃくちゃハードなんですよ……。

っていうかヴァリアー邸で家事するのがあたしだけとかいろいろ辛いですよ……。

下っ端の皆さんは日替わりで手伝ってくれますが、中には日本語が通じない人がいて大変です……。

そんな訳で12時には疲れきってベッドにダイブするのがあたしの日常です。



……日常のはずです。

「……あの、こんな所にいたら殺られますよ?」

「ですから拙者は親方様の命令で、優菜殿を我々で保護するように指令を受けたんです!」

「だから黙ってついてこい。反論は許さん」

目の前にはラル・ミルチとバジル。

もちろんここはヴァリアー邸の中であたしの部屋のドアを開けたらなぜか居座ってました。

そらもう当たり前かの様にベッドの上に二人とも座っています。

ラルいわく、この部屋は監視カメラがないからだとか。

まぁ、これは女の子のあたしへの配慮らしいです。そのかわり隣はスクアーロとルッスーリアの部屋という厳重装備で囲まれてますが。

「……あのー、お願いですからお引き取り下さい。っていうか侵入者が来たら撃退するように言われてるんですよ……。こんな所で初実戦なんてシャレにならないんですけど……」

っていうか、いくら小さくてもラル相手に勝てる気がしない。

バジルもそこそこ強いだろうし、いくら武器が特別なものだとして付け焼刃で戦闘を叩きこまれたあたしとは格が違いますよ。

「思ったよりも弱気だな。俺達はここにいる10人との戦闘を想定して来たんだが」

「しかし、ラル殿!平穏に済むならそれに越したことはないですよ!」

「それもそうだな」

…………。

あくまであたしを連れていく事前提で話が進んでいる。

「ではとっとと行くぞ」

「あたしの意見は……」

「言っただろ。反論は許さん

あー、確かに言ってましたけど……。

「優菜殿。ここでメイドをするのと、親方様と一緒に行動するのとどっちがいいと思いますか?命は拙者と一緒に来る方が安全だと思いますけど」

……確かにそうですね。昨日も殺されかけたし。

「えっと、確かにバジルの言うとおり一緒に行った方がいいような気もしてきました。でも、あたしがホイホイついて行ったなんてヴァリアーの方々に知られたら本気で怖いんですけど」

「安心しろ。そこは部屋を少し荒らしておけば抵抗したようには見えるだろ」

そう言って背中のマシンガンをあたしに向けるラル。

「少し手荒になるが悪く思うなよ」

「えっ?…もごっ……!!」

突如背後から袋が現れて、あたしの口を塞いだ。

そして遠のく意識。

あぁ……、これがスクアーロが言ってた催眠ガス……。

視界が真っ暗になった。


* * *



昼休みが終わり、5時限目の社会の授業に遅れてきたのは上原さんと空音と山本。

「そこの三人!遅刻だぞ!」

「わりーわりー」

「/(^o^)\」

「…………」

上から順に山本、空音、上原さん。

空音の肩に手を置いて超満面の笑顔の山本。超仏頂面の上原。超魂が飛んでる空音。

クラスの女子は気まずそうに、視線を山本達から離す。

男子はと言えば、揃いに揃ってニヤニヤ顔。

「…………何があったんだか……」

小声でツナに言ってみたら、ツナも苦笑いを返してくれた。

社会の授業は、異様な空気に耐えかねた先生が授業を10分も早く切り上げてくれた。

「他のクラスに迷惑かけないように静かにしてろよ」

なんて先生の言葉は一切意味を持たず、先生が教室から出て行った瞬間山本はクラスの男子に、上原さんは女子に、空音は京子ちゃん、花、僕、ツナ、獄寺、ロンシャンに一斉に取り囲まれた。

……ロンシャンが来るのは意外なんだけど。

「ねーねー!!!空音ちゃん達何があったの何があったの!?俺ちょー気になるんだけど!!!」

ロンシャンがハイテンションで空音にたたみかけたその瞬間、女子群と男子群が同時に声をあげた。

「「「「「「「「「「空音さんと山本君が付き合ったー!!!???」」」」」」」」」」

おー、うるさ……。

間違いなく隣のクラスに聞こえたであろう大ニュースは京子ちゃんとツナを笑顔にして、獄寺と花と僕はうるささのあまりしかめっ面して、ロンシャンのテンションを上げて、空音の顔を真っ赤にした。

「マジでマジでマジで―!!!!!空音ちゃんおめでとうじゃん!!!!」

「空音ちゃん、よかったね!おめでとう!」

「おめでとう、空音ちゃん」

「あ、ありがとう……///」

赤い顔で礼を言った空音は、僕の方を向く。

「……雲雀さんも山本君も理沙が呼んだんだよね?」

「ん、そうだけど……」

「こんな展開になるとは思ってなかったけど一応ありがとね」

「……?」

よく意味が分かってない僕に空音が教えてくれた。

「雲雀さんが例のボイスを山本君と上原さんに聞かせちゃったお陰で、助かったし、まさかの展開になっちゃったし……」

「あー、成程」

へらへら笑う空音はめちゃくちゃ幸せそうだった。

……ちょっつムカつくのでゲンコツをお見舞いしてやった。

「うあー!暴力反対!ごっきゅんー!理沙が暴力振るうー!」

「その呼び方やめろ!つかいつもの事だろ!」

「ひっどー!花ちゃーん!二人がいじめるー!」

「いつもの事ね」

「あんたも敵だー!」

冗談混じりに僕から逃げる空音。

うん、改めて友達っていいなって思う。

この平和な時がじっと続けばいいのに。

……土曜日に山本の大会。日曜日には補習をサボってみんなで遊びに行くのだろう。

そしたらボンゴレリングを携えたバジルが来て……平穏な日々は終わってしまう。

「時間が止まればいいのになぁ……」

「(理沙ちゃん?)」

うかない顔の僕を心配してくれるツナに、僕は気づかなかった。

平穏な日々も、あと3日。



* * *



(やったー!これであたしもリア充入りだー!)

(騒動も治まったし、上原さんも謝ったみたいだし、まあ一件落着?)

(あたしはこれからどこに拉致られるんですかー!?)




2009/12/30



ようやく原作に戻れるー!次回からVSヴァリアー編に入ります。優菜ちゃんも隼人とご対面だー!\(^o^)/今までの日常編(?)は黒曜編とヴァリアー編の間の1か月でした。


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あきゅろす。
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