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非日常的な日常
2



「フゥ〜……、さっきは焦ったなー……腐腐っ、でも照れた山本君は萌えたなぁ」

笑い方でお分かりになったかと思いますが空音です!

あたしは独り言をつぶやきながらお風呂場で服を脱いでます。

「よし!ブルーベルちゃんフォーメーション!!」

シャワーを浴びようと蛇口を捻り、

「フンフフフンフフフンフフフ・フ・フ・フ・フーン♪(一万年と二千年前からあ・い・し・て・るー♪)」

お得意のアニソンをハミングしながら、シャワーを浴びてると曇った鏡越しに腰に何か黒い物がくっついてるように見えた。

「?」

何かの汚れかと思って、見てみると、



「狽ャょえええええええええええ!!!!!!!!!?????????」

あたしの右側の腰には黒い蝶の形が刻まれていた。

マジッすか!!!???普通こんな模様出てこないよね!?

あたしがパニックに陥ってると、さっきの叫び声に心配になってきたのか、誰かが走ってくる音がした。

「空音!!大丈夫か!?何かあったのか!?」

山本君キタ――\(^o^)/――!!!!!

山本君はあたしの裸見るのは気が引けるようでドア越しで心配してくれる(当たり前)

「だ、大丈夫!さっきのは気にしないで!!えっと、……ゴキブリが出ただけだから!」

「そっかぁ……、それならよかったんだけどな」

適当な嘘をついて安心させると、山本君はそそくさと風呂場から離れたみたい。

「……思春期山本君、萌え

なんて言いながら、腰の蝶を洗い落とそうと、タオルでごしごし擦った。

「……って、落ちなくね!?」

ボディーシャンプーを増量してみても、擦ったあたりがどんどん赤くなっていくだけで、肝心の蝶は全く落ちない。

「ちょ、何これー!?」



* * *



座布団の上でテレビを見てるとようやく空音が風呂から上がってきた。

だけど何だか様子がおかしくて、やっぱり心配になって聞くと相談があるって言われた。

「相談?俺でよけりゃ聞くけど……」

そういえばさっきも風呂場に中で叫んでたな……、あ、あれはゴキブリだから関係ないかもな。

「あ、別に意味が分かんなかったならそれでいいんだけどね!もし山本君が聞いてる事があるなら教えてもらいたいなーって」

「ああ、協力できる事ならいくらでも手伝うしな!」

俺の返事を聞くと、ちょっと恥ずかしそうに俺の目の前の座布団に座って、意を決したように口を開いた。

「……その、見た方が早いと思うから……。蝶の模様なんだけどね、洗っても落ちなくてさぁ……///」

そう言って、大胆にパジャマの裾を捲りあげた空音にドキッとしちまったが、オレはあんまり変な事意識しねぇようにその腰に刻まれた蝶の模様だけを見ることにした。

……や、女の子の体とかこういう風に見るのは……そんな機会ねぇしな///

「……山本君、何か心当たりある?」

そう言って恥ずかしそうにさっとパジャマを下した空音は恥ずかしそうに俯いて聞いてきた。

なんつーか、元気な空音もいいけど、照れてる空音も可愛いのな……。って今はそんな事考えてる場合じゃねえ!

「わりぃけど、オレなにもしらねぇや、助けにならなくてごめんな」

恥ずかしい思いさせたのに俺は役に立てなくて、罪悪感。

「いやいや!山本君は気にしないでいいよ!念のために聞いただけだからさ!」

俺を気遣ってくれる空音はワタワタと手のひらをブンブン振ってくれた。

「じゃあちょっとツナの家に電話してみるね!話聞いてくれてありがとう!」

「ああ!」

切り替えが早い空音の笑顔にオレもつられて思わず笑顔で返事しちまった。



* * *



「理沙ちゃーん!空音ちゃんから電話よ!」

「はーい!」

リビングでソファに座ってテレビを見てると、奈々さんに呼ばれたのでテレビを見るのを中断して電話に出た。

「もしもしー?理沙だったりする?」

「あんたが僕を指名したんだろうが」

相変わらずアホっぽい空音の声を聞いて、そう言えば聞くべき事があった事を思い出す。

まずは空音の話を聞いてからでいいや、と要件を促すと

「えっと、理沙さぁお風呂にはもう入った?」

「!!!!もう入った、もしかして空音も妙な事が起こった?」

「あ、うん!やっぱり理沙もだったんだ……」

ちょうど、僕の聞きたい事と空音の要件は一致していたみたい。

「あたし、今日お風呂に入ったら腰に黒い蝶の模様がついててさぁ、山本君に見せても何も知らないって言われてね……」

「見せたのかよ!(山本がなんか美味しい立場だな……)」

「あー、山本君にはグダグダ説明するより実際に見た方が分かりやすいかなって///」

「言われて見れば確かにそうかも……」

「結局何も分からなかったけど☆って事で理沙は何か話聞いてる?」

「うん、僕も空音と全く同じ現象があってリボーンに聞いたんだけどね」

僕はリボーンに聞いた事を空音に伝える。

僕達の腰に出来た黒い蝶は『第三夜』の証らしい。

そもそも第三夜って言うのは三次元世界からやってくる三人の人間の事で、それはマフィアが出来た頃から10年に一回第三夜として人が現れる。

つまり僕達はあのクソ神に第三夜に選ばれたんだそうだ。

それでこっちの世界で第三夜が揃うと今の私たちみたいに体に蝶の刻印が現れる。

つまり僕達の体に刻印が現れたのはこの世界のどこかにもう一人、第三夜が現れたって事。

「……うん、何となくわかった。」

「よく空音の分際で一回聞いただけで分かったな

アホのくせに物覚えとか物分かりはいいんだよな……。

ちなみに僕はリボーンに三回も訊かないとだめだった。(難しい話は苦手なんだよ!)

「ところで、第三夜ってなんでわざわざ3次元から人を連れてくる必要があるんだろ?」

「うーん……、僕も同じ事聞いたんだけどリボーンの奴、はぐらかしてばっかりで答えてくれなかったんだよ」

「そっかぁ……、トリップさせられたあたし達からすれば、理由ぐらいはぜひとも聞きたかったんだけどな」

「僕も同感」

と、受話器の奥からアクビが聞こえてきた。

「…………お口にお手手はちゃんと当てましたか?

「あ、忘れてた

そんなもんだとは思ってたけど。

「じゃあ、そろそろ電話切る?」

「あ!ちょっと待って待って!!!理沙に聞きたい事がもう一個!!!」

「……。いいけど簡単にね」

リビングから聞こえるテレビの音から察するに、もうさっき見ていた番組は終わってしまったらしい。

「理沙は今日クロームちゃんとどんな話してたの?」

あー……、今日があまりにも濃すぎて忘れてた。

って言っても実は骸は僕の事を好きでしたなんて言ったら空音、間違いなく暴れるもんな……。

「まぁ、恋バナみたいな?」

「ええ!?理沙、好きな人居たの!!!!!!???????」

「いねーよ!!!!!」

反射的に否定の言葉を叫んだ時、ちょうど風呂道具を持ってきたツナがビビっていた。

「…………」

ん?なんだこの気分……、なんか聞かれちゃいけない物を聞かれた気がする……。

ツナは慌ててそそくさと風呂場にはいっていった。

「えー?恋愛しよーよ!青春しよーよ!」

「…………別に、自分がする恋愛は今の所興味ないから」

んんんんんん?????なんかモヤつくんですけど?やっぱり何か大事な事忘れてる?

「えー?まぁ、理沙がそう言うならしょうがないか……じゃあ今度こそお休み!」

「うん、お休みー」

電話を切った僕は背伸びをして、そしたら自然とアクビも出て、僕自身も眠かった事に気づく。

「……寝るかぁ」

僕はフゥ太とイーピンとランボが寝ているので起こさないように2階のツナの部屋の向かい側のドアをそっと開く。

僕が電話している間に誰か布団を敷いていてくれたらしい、明日お礼言わないとなって考えながら潜り込みながらむと紙がクシャって、潰れる音がしたので慌ててみてみれば沢田綱吉と書かれたプリントがシワシワになって出てきやがった。

「…………(何故宿題プリント落としたし、明日リボーンに殺されるぞ?)」

今更布団から出る気もしない僕は枕元にそのプリントを置き、ふとクロームと空音の台詞を思い出す。

……好きな人ねぇ……。

もし仮に居たとしても誰になるってんだよ。

「そりゃあツナだろ?」

いやいや、ツナはダメだって。ツナには京子っていうフィアンセがいるでしょ。

「そうか?でもお前、ツナに惚れてるだろ。それも一目ぼれ」

見透かしたような事を言われて黙っていられない気が短い僕は、思わず布団から飛び出して(ちびっこ達を起こさないように)小声で反論した。

「…………そんな訳っ!!!っておい、リボーン……!」

「ちゃおっス、恋愛相談承るぞ」

「勝手に心読むな!ツナはただの友達と恩人!それ以上でもそれ以下でもないから!勘違いとかいい加減にして!僕はもう寝るから!お休み!」

そう言い放つと布団を頭からかぶり、リボーンの声が出来る限り耳に届かないようにすると

「じゃあ、なんでそんなにムキになってんだ?」

「……っ!///知らないしっ!お休み!バイバイ!また明日!」

僕が追い払いようにそう返すとリボーンは何も言わずにしばらくするとドアが開閉する音がした。

…………チッ。

結局僕、ツナに惚れてたのかよ……。


あーあ、ツナだけはダメだって思ってたのに。

僕みたいな異世界人が原作に太刀打ちできるわけがないじゃん。

僕は京子を越えられないのが悔しくて、唇を強く噛んだ。



* * *



ザーッ

イタリアでシャワーを借りてシャワーを浴びるあたし。

お風呂場に入る時、驚くほどあたしの服が汗臭くなっていました。

不良に追いかけられて走った時にかいた汗か、いろんな場面でかいた冷や汗か。

「ってどう考えても冷や汗の方が多いって!!!!!」

本当に冗談じゃない事ばかり起こって、これ以上何かあったら……



「狽チて何この蝶々!!!???」

あたしの波乱万丈なメイド生活はこうして始まったのであった\(^o^)/



* * *



(それにしてももう一人の第三夜って誰だろ……?あージャンプ読みてー)

(あーあ、よりによって好きになったのはツナかよorz)

(まずはメイドとか言う前に、スクアーロさんとの関係をなんとかしないとな……)




09/11/28




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