非日常的な日常
1
か、可愛い!!!!この子誰誰!?やっべえ凄く襲いたい!!!
ツナパパの存在、忘れてた……。
ごごごごごごごっきゅんですよね!?やっと会えたぁぁぁぁぁ!!
Action.12〜嵐を連れてやってきた〜
「山本君ーーーーー!!!がんばれぇぇぇぇぇぇぇぇー!!!ユニフォーム萌ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「おいゴラァ!!!どさくさに紛れて何言ってんだァ!!!!」
いつものように理沙に怒鳴られた土曜日、山本君の野球の試合の応援にあたし達は来てます!
あ、山本君がホームに入った!
うん、野球してる山本君、すっごく萌える。
汗に濡れた黒髪。真剣な表情。それでもどこか楽しそうな山本君のおしr「お前に今、読心術使った事をこれほど後悔した事はないぞ」
「ギャーーー!!!!なななんて事をしてくれるんだぁぁぁぁぁ!!!」
「おしりとか山本が知ったらどう思うんだろうな」
……あれ、嫉妬?リボ山な展開?ニヤって笑ってるのはあたしと山本君を破局に追いやるつもりだから?
「……理沙、この変態を殴っとけ。武器の力を借りて全力でな」
「ちょっ!!死亡フラグ!!!!武器の力借りさせちゃったら怪力になっちゃうじゃん!!!頭部が吹っ飛んでしまう!!!!」
「逝ってよし」
「安部ぇぇぇぇぇぇ!!!」
安部さんなんてだれか分からないけどそう叫びながら、立ち上がり通路へ避難する。
理沙は常識人だからこんな所で大鎌出したりはしないけど、殴る気満々だね!
「ヘブシッ!!!」
するとうっかり自分の足に引っ掛かって転んでしまった。
呆れ顔の理沙はそこで走るのを止めた。
「……相変わらず運動音痴……。大丈夫?」
「仕方がない!本来は運動音痴なんだから!刀出せばこんな失敗しないんだけどなぁ」
「出したら殺す」
…………今もポケットの中に入ってるけどさ、出す気なんてないから!!!!
反論しながら立ち上がるあたしは理沙の背後に小さな子供を見かけた。
「元気そうだね♪理沙お姉ちゃん♪」
「え……っ!?」
気配もなしに理沙の真後ろまで来た子供は、笑顔でさり気なく理沙の手を握る。
短い黒髪の10歳前後の男の子。
「え?えっと……、お、お母さんは???」
何故か自分の名前を知ってる男の子に戸惑う理沙。
っていうか理沙ったらみー君の存在忘れてる!!!みー君=藤森みつる君だよ!
藤森みつる君って言ったら……
「ママ?理沙お姉ちゃんったら気づいてない?空音お姉ちゃんは気づいてるのに……」
「…………(何にだよ。ガキの何に気付けと???)」
視線で助けを求めてきた理沙にここは一つ、あたしが助け船を出してあげる事にしよう。
「グへへ、それにしてもみー君はショタになっても可愛いねぇ……(ほら!あの美形パイナップルだよ!)」
「(ゾワゾワッ)理沙っ!僕ですよ僕!!!六道骸です!!!!」
あたしに怯えて、理沙の背中にしがみつく骸。
「あ、ああ!!!!そっか!ごめん骸!あいつ変態で!!」
骸の正体に気付いた理沙は、骸を空音から庇うように背中に回す。
「本音と建前が逆です……。今の僕の体は小さいので妙な迫力が……」
「うあー……ごめんね?」
「しまったやっちまった!!!!!つかあたしにも頭撫でさせろ!!」
しゃがんでみー君の頭をナデナデする理沙に嫉妬したあたしを軽くスルーして、ちょっと嬉しそうな骸はサラッとこう言った。
「君達はもう知ってるかもしれないですけど、ボンゴレリングを先日預かりました」
「「……!!!!」」
途端にあたし達の顔が強張る。
ボンゴレリング、マフィアの後継者争いの前触れ。
「そ、そっか!!!もう貰ってた事は知らなかったけど、もうそんな時期だよね!!!お互い頑張ろうね!!!」
そうは元気よく言うものの実際あたしは、笑えてなかった気がする。
理沙も苦笑いするだけ。
「いえ、僕は決してボンゴレに為に頑張ったりはしませんよ……、僕自身と犬と千種とクロームと……理沙の為です」
「なんですとぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!????」
まさかの爆弾発言!!!!!!!!!
わかった!この世界の骸がアホっぽいのも理沙に惚れてるからだったのかぁぁぁぁ!!!!!!!
「骸……悪いんだけど、口を慎んでくれ。」
「おや、すみません」
理沙がちょっと怒ったように言うと悪びれずに骸は謝る。
「……クロームから聞いたでしょ?」
「ええ、見事にフラれました」
「なんですとぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!????」
まさかの爆弾発言パート2!!!!
理沙はあの骸様をフっちゃったのか!!!!????
「空音ウザいから黙れ。うーん、悪いなとは思ってるんだよ……」
「いいんですよ、気が向いたら何時でも僕は待っていますからね」
「……ありがとね」
困った顔でお礼を言う理沙から一歩離れて骸は言った。
「では、僕はそろそろ“ママ”が心配するので行きますね。二人とも……Arrivederci」
お決まりのキメ台詞をカッコよく言った骸はクルっと回れ右をして、お母さんがいるのであろう席へ走って行った。
彼の顔はもうみー君の顔に戻っていた。
彼を見届けた理沙の少し後ろにいたあたしはだいぶ前から感づいていた事を口にする。
「…………理沙ー、この際言っとくんだけど、理沙ってツナが好きなんだよね?」
嫌そうに振り返った理沙の返事はこうだ。
「どうしてそう思ったんだし」
すっごく不機嫌そうの顔だったけど、ここは胸を張ってその回答に答える。
「そりゃああたし達親友じゃん?そのくらい気づくって!」
直後、理沙は凄い悲しい顔を一瞬だけ見せてそして大笑いを始めた。
「あははははは!!!!気づくもなにも、僕はツナの事恋愛対象として見てないから!勘違い自重しろよー!」
「え、マジですか!?!?」
思いっきり否定された所で、あたし達もいい加減ツナ達の所に戻ることになった。
「……こんなの、一瞬の気の迷いだよ」
そんな理沙の声は誰にも聞こえる事はなかった。
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