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山本攻略マニュアル
君が好きなものすべて嫌いになったら、君のことも嫌いになれるかな?(花→山)



っていうかもともとこんな筈じゃなかったのよ!


私の理想は大人っぽくて哀愁漂う人の筈だったのに!


なのになんで、現実にときめいちゃったのはあんなヘラヘラした餓鬼な猿なのよ!


確かに剣道の授業を受けている武をたまたま見かけた時、普段とは違う真剣な表情で面の練習していた彼はかっこ良かったけど、所詮体育会系のお馬鹿じゃん!


それでも好きになっちゃったんだから、告白してやったわよ!


そしたらなんて言ったと思う?


女より野球の方がずっと大事なんだって!


もームカついてしょうがないわ!


だから、武の事はきれいさっぱり忘れようとした。


全くうまくいかないんだけどね。


テレビの野球中継。


剣道部の奴。


マフィアごっこしてる子供達。


並盛牛乳。


牛柄のシャツの人でさえ牛乳繋がりで、武に重ね合わせちゃう始末。


うん、だからこの状況はあたしにとって不愉快以外の何でもない。


「若き黒川さん、そんなに難しい顔してないで牛乳でも飲んでみたらどうです?」


「だからなんで沢田の家にあなたがいて、沢田達は外出中なの!?」


「さぁ……?あらかた留守番を任されていた10年前の俺が10年バズーカを誤射したんだと思うんですが」


「じゅうねんばずーか?はぁ…まあいいわ」


「とりあえず牛乳をどうぞ。イライラしてるのはカルシウムが足りない証拠ですよ?」


ブチッ!


おんなじ事を武に言われた記憶がフラッシュバックする。


あたしの中で何かが切れた。


「死ね!!!!」


バシャ!


目の前の牛柄のシャツの人に頭から牛乳をぶっかけてやった。


なんだかあいつに仕返しできたみたいでちょっといい気味。


「……………」


呆然とする彼を残してスッキリした気分になったあたしは沢田家から立ち去った。




(それが笹川の兄貴に告られる三日前の出来事)


確かに恋だった


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