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山本攻略マニュアル
なかなか涙も出ないものだね(雲山)
※死ネタ注意!(下ネタあり)
「じゃ、任務、行ってくるな」
「勝手に行ってきなよ。君の任務なんて僕には関係ない話だ」
「つめてーのな、まぁヒバリらしーけど……。でもさぁ今回の任務はSランクなんだからちったあ心配するなり、キスくれるなr≪バキッ!≫って!何すんだよ!」
「ふざけたこと言ってる君がいけないんだよ」
「お前10年たっても相変わらずだなー……。昨日の夜俺に散々ヤっといてさぁ、もっと甘くしてくれたっていいじゃねーか」
「だって、昨日の内にヤっとかないと、しばらくずっとお預け食らわされるんだからその位いいでしょ。第一君凄く気持ちよさそうにアンアン善がってたじゃないか」
「っ……///も、もう、行くからな!」
―――そんなふざけたやり取りが君と過ごした最後の時間だった。
「ヒバリさん、最後のお別れ、しなくていいんですか?」
そういう沢田綱吉の目には涙が沢山溜まっていて、彼の目は真っ赤に腫れていた。
「うるさい」
そんな彼が妙に腹立たしくてピシャリと言い放つ。
あの時キスの一つ位しておけばよかったな、なんて僕らしくないけどそう思いながら棺桶の中で穏やかに眠っている彼を見た。
あの日までは日焼けした健康的な頬が、今となっては生気がなく青白くなっている。
それで二度と目を覚ますことも、笑顔を作ることも、僕に笑いかけることも、あの時々見せる真剣な表情も見ることはないんだなと理解した。
「君って、本当に馬鹿じゃない?いつも僕より最初にイくなって言ってるじゃないか」
……、……気がついた時には彼のせいでやや変態になっていた自分に苦笑いする。
「君がいなかったらお仕置きする楽しみもなくなるのに」
彼の元から離れると獄寺隼人は僕に呆れたという顔で言ってきた。
「お前、本当に変態になっちまったな。最後の言葉ぐらいまともなこと言ってやれよ」
「そんなの僕に勝手だよ、君には関係ない」
獄寺隼人はハァとため息をついて赤くなった目尻を擦った。
「……君も、泣くんだ」
「るせぇ」
獄寺隼人はそういうとプイと赤い目を隠すように顔をそむけ、沢田綱吉の所に向かった。
泣く、ね。
僕には理解できないよ。いや、理解する気にもなれないよ。泣くなんて弱い草食動物のすることでしょ?たとえばあそこにいる彼。
「うおおおおおん!!!あいつは、極限に……!うぐっ、えぐっ……あいつは……!」
……うるさいだけで何の足しにはなりやしない。
今となっては赤ん坊とは呼べなくなった彼でさえ、涙は見せないものの俯いて唇を噛み締めながら、今はテラスに行ってしまった。
『おいおい、いくらなんでもつめてーぞ!!』
僕をかばって山本武の部下が僕の身代わりになって死んだ時、山本武のいったセリフを思い出した。
『そんなのこの男が勝手に飛び込んできただけでしょ。なんで僕が葬儀に出なきゃいけないんだい』
『おま、こいつはお前のために』
『僕にはそんなことは必要なかったんだよ、そいつがいなくても僕は自分で自分の身位守れるからね』
『……お前、こいつの気持ち考えてやってもいいだろ!』
『興味無いね』
『やっぱり、つめてーよヒバリは』
そういえば山本武は口癖のように僕の事を冷たいって言ってたな。でもその後には必ずこう言うんだ。
『ま、それもヒバリらしーけど』
僕らしいなんてそんなの当たり前だよ。僕は孤高の浮雲。何者にもとらわれず我が道を行き、独自の立場からファミリーを守護するのが使命なんだから。
ザ―――……
気がついた時、外は僕の心を代弁するかのようにしとしと雨が降っていた。
(泣くことさえできない僕の代わりに雨を降らす君は本当におせっかいだね)
* * *
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