series
依頼７
「お前が生徒会長に惚れたのは分かった。だが、何で普通に付き合わねぇんだよ。めんどくせぇ条件出しやがって」
やっと落ち着いて来た頃、イチがルイに問うた
「あの、それは…」
「あ？言えねぇ何てことねぇよな？」
「い、いえるよ！だからイライラしないで！」
やっと決心したようにルイは話しだした
「最初はかいちょーに好きって言われても、どうせ気まぐれなんだろうな、って思って本気にしてなかったんだ。でも、いつまでたってもかいちよーは諦めてくれなくて、あぁ、ホントにこの人は俺っちのことが好きなんだなって気付いたんだ」
「おーほうほう（ニヤニヤ）」
「ヤス、黙ってろ」
「へーい」
「それからちょっと意識してきてどんどんかいちよーのことが気になってきたの。この間生徒会にハッキングしたっていったじゃん？それってかいちよーのことがもっと知りたくてハッキングしちゃったんだ」
「あぁ、そんなこともあったな」
「それで出てきたのが何でも屋についてだよ！俺っち結構ショック受けたの！かいちよーは何でも屋を捕まえたがってて、でも俺っちは何でも屋で……」
「……だから会長を試すような事を言ったのか」
「もしかいちよーが俺っち達の事を見つけれなかったらそれだけの男！
もしかいちよーが俺っち達の事を見つけて俺っちの事を嫌いになったらそれだけの男！
……もしかいちよーが俺っち達の事を見つけて、それでも好きってって言ってくれたら、その時は、って」
ルイは全てを話し終えイチとヤスを見て、頭を下げた
「俺っちのせいで迷惑かけると思う。ホントにごめんなさい」
ルイは何でも屋を辞めさせられる覚悟もしていた。見離されてしまうんじゃないかと
イチとヤスはその姿に顔を見合わせ頷いた
「はぁ、本当にお前はアホだな」
「まぁルイだもんな！しょうがねぇ！」
呆れたような口調の二人に顔を上げる
「だからって依頼に手抜くんじゃねぇぞ」
「なんたって俺達は何でも屋だからなぁ！」
「ぇ？いいの？だって…」
二人の様子に戸惑うルイ。もっと責められると思っていたからだ
「うるさい。お前がアホなんて前から知ってたしな」
「ギャハハ！今さらだ！」
何時もと変わらない二人にルイは涙が出そうになった
「っいっくん！やっちん！ありがと！！」
そういって二人に飛び付いた
−−−生徒会長との恋を頑張れよ、なんて言ってやれないけど、無邪気に笑うお前を最後まで見届けてやりたいと思った
continue→→→
［*前へ］
[戻る]
携帯モード]
[
URL送信]