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short
エンゼルトランペット(cp無し)

半年前、転校生が来ました。その転校生は学園の美形を虜にしました。美形達は転校生と一緒にいた平凡が気に入らなかったのです。悪口、暴力、平凡を痛め付けました。しかし、心優しい平凡は全てを包み込みました。その優しさに、美形達は自分の侵した罪に気づかされました。美形達は元凶である転校生に罪を擦り付け、学園から追放しました。転校生という呪縛から解放された平凡は美形達に守られ幸せに暮らしました。






これがここまでのあらすじ。



そして、今俺はその平凡と2人きりで中庭にいた。


「加藤君、僕に用事って何かな?」

「…お前に言いたいことがあって。」


突然の呼び出しでも笑顔で俺に接する平凡。


「言いたいこと…?」

「¨エンゼルトランペット¨。」

「え?」

「¨エンゼルトランペット¨って知ってるか?」


俺の言葉に戸惑いを隠せない様子だ。


「エンゼル……ぇ?何だろ?」

「…花の名前だ。お前はその花みたいだ。」

「花?僕が花みたいって……そんなことないよ!」


必死に否定する平凡を見て笑う。それに反応する平凡。


「もう!笑わないでよ!……ねぇ、その花ってどんな花なの?」

「……綺麗な花だ。」

「ふふ、ありがとう。嬉しい。」


平凡は花が咲いたように笑った。


「……話しはそれだけだ。じゃあ。」

「あ、うん。ばいばい。」


そうして、俺は平凡の前から去った。








と、見せかけ、視覚に入り平凡の姿を観察した。

しばらく見ていると、うつ向いていた平凡は顔を上げた。

そして、突然笑いだした。


「アハハハ!僕が花だって?笑わせる!アイツも僕に落ちちゃったんだぁ。男ってホント簡単。まぁ、アイツも格好いいし、いい下僕にはなるか。僕って罪づくりな男。」


アハハハハハハ!!!


平凡の笑い声を聞きながら、俺は手に持っていた録音テープのスイッチを切った。


「お前の本性は分かっていたさ…。これでやっと証拠が掴めた…。」


そう、今までのストーリーは全部、平凡のシナリオどおり。

でも、ここからは俺が書き換える。


「………じゃあな。可哀想な平凡君。」


録音テープを片手に俺はその場を去った。








「¨エンゼルトランペット¨


下向きに垂れ下がり、ラッパ状の大きくエキゾチックな花を咲かせる。夕方になると香を漂わせます。


※しかし、エンゼルトランペットは全草にアルカイドを含み有毒ですので、ご注意を。

花言葉は……、」





エンゼルトランペット

(偽りの魅力)



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あきゅろす。
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