DEATHGAME
◇
オレは逃げた。答えを導き出すのがこわかったから。今オレは走っている。目に見えない、何かからにげるため。走って、走って、走った。何も考えないように……。
ドン!
誰かにぶつかった。
「っいってぇ。………ロイ?」
ぶつかった人をよく見ると、リン君だった。
「あ、リン君…。」
「ロイどうしたんだ?そんなに走って?」
「ごっ、ごめんね!痛くなかった?」
「大丈夫だけど………お前何かあ「おーい。お前等何してんだ?」………アレク。」
リン君の言葉を遮るように、向こうからやって来た、俺様野郎に話しかけられた。
よかった。今ばかりは俺様野郎に感謝だ。リン君は危ない気がする。この子は人の闇に触れる。
今のオレは自分でも分かるほど、混乱している。そんな状態でリン君と二人きりなんて危険でしかない。
「な、なんでもないです。ちょっと僕がぶつかって…。」
「そうか。大丈夫か?」
そういって俺様野郎は、リン君に手を伸ばす。
「あぁ、大丈夫。ありがとな。」
リン君は俺様野郎の手をとり立ち上がった。それを確認して、俺様野郎は言う。
「そろそろ昼食の時間だ。食堂行くぞ。」
「はい。」
「おぅ!………ってナフスはどこだ?ロイと同じ場所で作業してたよな?」
リン君の言葉に心臓が跳ねた。
「う、うん。でも、僕だけ先に来ちゃったんだ。」
「じゃあ、アイツは後で来るだろう。席がなくなる。先に行ってようぜ。」
オレ達は食堂に向かって歩き出す。
……リン君の不思議そうな目は無視をした。
[*逃げる][堕ちる#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!