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DEATHGAME
リンside


今日はロイがいないのかぁ。ちょっと寂しいな。でも、三人だけでも頑張ろう!



「今日も張り切って売人探しに行こうぜ!」


「リン、わかったから声のボリューム下げろ。今は深夜だぞ。バカ。」


「……ごめん。」



意気込んで声を上げたら、ナフスに怒られた。

でも、バカは酷いと思う…。



「じゃ、気を取り直して行くか。」



アレクの一言に俺達は2日の夜の廊下へと歩きだした。



ゾク…


「……ぇ、」



一歩目を踏み出した途端に走った悪寒。得体の知れない不安に襲われた。



「リン?」


「どうした?」



ナフスとアレクに声をかけられ意識を戻した。



「………ぃや、何でもない、大丈夫だ。」



…………何もない、よな、









それから1時間歩き回ったが、手掛かりは出てこない。



「なーんも収穫なし、か。…ふぁ。」


「……眠たくなって来ましたね。」



アレクとナフスの眠たそうな声を聞き、今日はここまでかな……、と思ったその時、廊下の向こう側から人が近づく気配がした。



「二人とも、しっ…、」



二人を黙らせ、耳をすます。


ヒタ、ヒタ…、


足音に気付いた二人も顔を引き締め、身構えた。

だんだんと人影が近づく。


ヒタ、ヒタ…、



「「「!!」」」



その姿を見た俺達は絶句した。

何故なら、目の前の男の姿がとても、奇妙だったから。

男は俺達と同じ囚人服を纏い、その服に着いているフードを目深に被っていた。

それだけなら良かったのだ……。

男の顔は仮面で覆い隠されていた。目と口がつり上がった、不気味な仮面で。

更には、身の丈ほどの大きな棒を持っていた。

何だお前!そう叫びたいのに声が出ない。身体が動かない。次々と冷や汗が吹き出る。他の二人も同じだった。

俺達は何故恐れている?この男に。わからない。

……ただ一つだけ言えるのは、



『兎ちゃんみ〜っけ。』



コイツは、



『いただきま〜す。』


「リン!ナフス!避けろっ!」



ヤバイ!



男は持っていた棒を振り落とした。



[*逃げる][堕ちる#]

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あきゅろす。
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