DEATHGAME
どうでもいい彼等の日常
それは、リン君が来る少し前の出来事。
「なぁ、ナフス。」
「なんですか?アレクさん。」
「お前はロイの素顔を見たことあるか?」
「……そういえば、いつも前髪で邪魔されてて、ちゃんと見たことないですね。」
「「………、」」
((ロイの素顔、見たい!))
二人の心は一つになった。
二人は早速行動に移した。ロイを探しに走り出したのだ。
案外ロイは直ぐに見つかった。
ロイに声を掛けようとしたアレクは、ナフスに止められた。
「ちょっと待って下さい。もしも、もしもですよ?火傷とか、大きな傷痕を隠すために隠していたとしたら……やばくないですか?」
ナフスの言葉にアレクは、はっとなった。
「確かに……、俺達が興味本意で聞いたことにより、ロイが傷付いてしまうかもしれないな。」
二人は黙り込んでしまった。
「………でも、見たい。」
しかし、二人は欲求に勝てなかった。
見れる方法をひたすら考えてること1時間。
既に話しは脱線し、二人はロイの素顔予想をしていた。
「やっぱり目は王道で『(3_3)』ですよ〜。」
「いや、それは王道すぎるだろ〜。逆に、『(・_・)』もあり得るぞ。」
「以外と少女漫画みたいな目だったら、GAPっすよ。」
「それは、ヤバイな。」
「「ぷっ、ギャハハ!」」
大いに盛り上がっていた。途中までのシリアスは、まるでないようなものだった。
「ってアレ?ロイ?」
「ん?何してんだアイツ?」
ロイがあっちへ行ったりそっちへ行ったり、彷徨いていた。
「おーい。ロイ、どうしたんだ?」
ロイに近づく二人。ロイは二人に気付き、動きを止めた。
「ぁ、ナフス、アレクさん。丁度いい所に。」
「「?」」
「あの、顔を洗おうと思ったんですけど、前髪が邪魔で、何時もは髪ゴムを持っているんですけど、あの、切れちゃって…」
ロイはしどろもどろに言った。
アレクはロイの言葉にピンと来た。そしてナフスに目ぶせした。その顔にナフスも気付き、ニヤリと笑った。
「おぉ、ゴムが欲しいのか?俺が持ってるぜ。」
アレクは人が良さそうな顔でゴムを差し出した。
「あ、ありがとうございます。」
ゴムを受け取ったロイはゆっくりと前髪に手を伸ばした。
ゴクリ
そして、やっとやっとロイの顔が露になる。
透き通るような肌。ほんのり桜色々に染まった頬。薄い唇。高い鼻。まるで宝石のようなブルーの瞳。
どれをとっても完璧だった。
ロイの顔を見た二人は固まった。
「「…………」」
「?」
二人の反応にキョトンとするロイ。
「ぇ、な、なに〜。」
思わず素がでる。
「はっ!」
ナフスがその声に反応し、我に帰る。その身体は震えていた。
「ナフス?」
「美形なんて、美形なんて、皆滅びてしまえーーー!!!」
叫び声を上げながらナフスは走り去ってしまった。
「な、ナフス…?」
ポン
「アレク、さん?」
混乱しているロイの肩を叩くアレク。
「ま、まぁ、俺程ではないがぁ、な、なかなか良い面ぁしてんじゃぁねぇか。」
「はぁ、」
「いや、あくまでも、お、俺程、だ、だからな!!べ、別に、やべぇ、チ●コにくる!とか、お、思ってねぇからな!」
ダッ!
「あ、アレクさん!?」
アレクもナフスに引き続き、走り去った。
残されたロイは、ひたすら首を傾げていた。
「も〜、何だよ〜。……ぁ、ラウドに誰にも顔見せるなって言われたんだった〜。」
あちゃー、と額に手を当てた。
「………ま〜いっか〜。顔洗お〜っと。」
ロイは何事も無かったように顔を洗った。
一方、ナフスの房では、泣くナフスを慰めるアレクの姿があったとか………。
どうでもいい彼等の日常
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