DEATHGAME
◇
「ラウドさんは、どうしてこんな夜中に出歩いてたんだ?」
リン君はラウドに尋ねた。
「……ただ、歩きたかっただけだ。」
ラウドは一瞬の沈黙の後、静かに言い放った。しかし、納得のいかない者が一人。
「それは本当か?…てめぇが一番怪しいんだよ。今回の事件の男もスペードの奴だったしなぁ。」
「何のことだ。」
クスリの売人のことを言っているのだろうアレクに、ラウドは聞き返す。
ラウドの訳ないじゃ〜ん。こんな時間に、うろついてたラウドを疑いたくなる気持ちもわかるけどさ〜。
オレ達処刑人は夜行性なんだよ〜。
「惚けてんじゃねぇよ!あの男、クスリやってたんだろ!?あの後持っていったのも、それをバレないようにするためなんじゃねぇのか!?」
「えっ!ラウドさん、本当か!?」
「ちょっ、アレクさん!?リン!?」
声を荒げながらラウドに詰め寄り、胸ぐらを掴むバカ。
アレクの言葉に馬鹿正直に信じたアホ。
それを必死に止めようとしているナフス。
オレは蚊帳の外。
「なんか言ってみろや!」
「ラウドさん!どうなんだ!!」
コイツ等馬鹿なの〜?あっバカか〜。
ラウドの顔見なよ〜。こめかみに、いかりマークついてるよ〜。
「………いい加減に、」
「てめぇはそんな奴じゃねぇと、思ってたのによぉ!」
「ラウドさん!見損なったぞ!もうこんなこと止めろよ!」
「しろ。」
ボカ!
「っいってーな!」
ボカ!
「っ痛いぞラウドさん!」
ぷっ、二人してラウドに殴られてやんの〜。キャラ作ってなかったら指さして爆笑もんだよ〜。
「お前等は黙ってろ。なんのことか知らないが、俺じゃない。………もっと周りを見ろ。」
ラウドは坦々と二人に言った。その声色に二人は何も言えなくなった。
少し間を置いてリン君は、口を開いた。
「……ラウドさん。疑ってごめんなさい。」
素直に謝るリン君。
「ほら、アレクも謝れよ。」
「チッ………すまねぇな。」
アレクはリン君に言われ、しぶしぶ謝る。それを見たラウドは、わかったとでも言うように頷いた。
全くも〜。リン君を見習いなよ〜。素直じゃないな〜。
「………もういいか?戻りたいんだが。」
「あっ、引き留めてごめんな、ラウドさん。」
「……お前等、あまり余計なことに首突っ込むなよ。」
「はぁ?」
「これは忠告だ……。」
それだけ言って、ラウドは帰ってしまった。
「何言いってんだアイツ?」
「さぁ?」
「……やっと行ってくれた。怖かった〜。」
ラウドの言葉は届かない……。
[*逃げる][堕ちる#]
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