DEATHGAME
◆
その日の夜。囚人達の就寝時間がやって来た。いつもなら全員、自分の房に戻って寝ていただろう。
しかも、今日は違った。
「よーし、アレク、ナフス、ロイ、準備はいいか!?」
「あぁ、行くか。」
「俺も大丈夫だぜ。」
「………。」
クスリの調査に行く気満々のこの三人。リン君を中心に意気込んでいた。
オレも行かなきゃいけないのかな〜?この子達のノリについて行けないよ〜。調査はオレ達の仕事だし〜、首突っ込んで欲しくないわけよ〜。
「ロイ、どうした?腹でも痛いのか?」
「い、いや、何でもないんだ!い、行こう?」
リン君ってホント目敏いな〜。人の変化にすぐ気付いちゃうんだから〜。気、抜けないよ〜。
そんなこんなでオレ含め、四人は深夜の刑務所探索にのりだした。
唯一、ラウドに合える時間なのに〜!グスン。
深夜は昼間とは全く違う空気が漂っていた。冷たい風が肌を突き抜ける。
「ろ、ロイ、だ、大丈夫だよな…何も出ないよな…?」
「ナフス、何もって…?」
ナフスがオレに近づいて、震えながら聞いてきた。
「お・ば・け……だろ?」
「アレクさん!笑わないでください!」
アレクが言った言葉に、真っ赤な顔で怒るナフス。
「ハハ!ナフス、おばけが怖いのか?」
「リンまで!っロイは俺の気持ちわかってくれるよな!?」
「な、ナフス……。」
相変わらずビビりのナフスに笑顔がこぼれる。
「ったく、おばけなんかいるわけねぇだろ?ガキじゃあるめ「ガタン」ー……し?」
「ガタン…」
「「「「!!!!」」」」
オレ達以外には活動しているはずのないこの空間に、音が飛び込んできた。音の出所は扉。
ゆっくりと扉が開かれるのを、誰一人動かず、唾をのんでむかえた。
キィ…、
「……お前達、何をしている?」
そこにいたのは長身に均等の取れた体つき、艶のある真っ黒な髪の毛、そしていつも変わることのない表情。
「ら、ラウドさん!?」
「はぁっ!?てめぇかよ!!」
「……びっくりした。でも、おばけ以上に怖い人でた!」
お、オレはラウドだってわかってたけどね〜。べ、別にビビってないし〜。
「だから、何なんだお前等は……。」
顔を変えず、呆れた声を出すラウド。
「で、なんでてめぇはこんな時間にうろついてんだよ。」
落ち着いたアレクがラウドに詰め寄る。
「………それは俺の台詞でもある。」
「あ゛ぁ?」
両者、無言の睨み会いが続く。
「いい加減にしろってお前等、話しが進まねぇよ!」
以外にも、それを止めたのはリン君だった。
[*逃げる][堕ちる#]
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