DEATHGAME
◇
次の日、オレ含め、リン君、ナフスがアレクの房に呼び出された。
「アレク、どうしたんだ?何かあったのか?」
リン君が聞いた。
「いきなり呼んで悪いな。今日はお前達に話しておかなければならない事がある。」
真剣な顔のアレクにただ事じゃないと悟る。
「昨日、リンに襲い掛かってきた変な男がいただろ?」
「あの気持ち悪い奴か。」
「ソイツはあの無愛想野郎が持っていったが、実は男が倒れていた場所にこんなモノが落ちていたんだ。」
そう言って、取り出したモノは、最近見に覚えのありすぎる白い錠剤。
「それは何ですか…?」
ナフスが不思議そうに問いかける。
「俺の考えでは、おそらくこれは………麻薬だ。」
「「!!」」
ナフスとリン君は驚嘆した。
オレは知ってるからね〜。驚かないよ〜。
で〜も、バレちゃったよ〜。これって極秘じゃなかったっけ〜?やばくな〜い?
「あの男の行動から言ったら、それしか思い付かない。」
「麻薬って、何で刑務所にそんなモノがあるんだよ!おかしいだろ!」
「誰かが手引きしてるとしか考えられねぇな。」
「っ、」
「俺が言いたいのは、お前達も安全とは言い切れねぇわけだ。だから、気をつけろよ。」
「…はい。」
「わ、分かりました。」
「決して誰も信じるな。特に他のエリアの奴等はな、ってリン?」
オレとナフスは返事をしたが、リン君はうつ向いて何を考えているかわからない。
……な〜んか、嫌な予感がするんだよね〜。
「決めた!!」
リン君は大きな声をだしながら、顔を勢い良くあげた。
「俺達でクスリを売っている奴を捕まえよーぜ!」
あちゃ〜。言うと思ったよ〜。面倒なことになったな〜。
「リン、そんな危険なこと、お前にやらせられる訳ねぇだろ。」
「何でだよ!?誰かがやらなくちゃいけねぇだろ!?」
今、オレとラウドがやってるんだけどな〜。
「これ以上、被害者をださせねぇ!!」
「リン……お前。」
「前にも言ったけど、俺はこの、腐った刑務所を変えたいんだ!!」
リン君の言葉に全員が黙る。沈黙が続く。
それを破ったのはアレクだった。
「はぁ、お前には負けた。俺も手伝うぜ。」
「アレク!いいのか?」
「お前を一人に出来ねぇしな。お前はオレが守る。」
「っ!!…ぁ、ありがとな!」
お熱いね〜。もう二人でやっててくださ〜い。
ナフスはいい子だから、そんなことしないよね〜。
「……リン、俺も手伝わせてくれ。」
「ナフスぅ!!?」
ナフスからのあまりにも衝撃的な言葉に、思わず叫んだオレ。
いやいや、ナフス?嘘でしょ〜?
「ナフス、お前はいいんだぜ…?こないだの事もあるしな。」
「いや、リンが俺のために助けに来てくれたように、俺もリンの助けになりたいんだ。」
「!!……ありがとう!ナフス!」
ちょっとまて。
いい話で終わらせないで〜。ホント困るよ〜。自由に動けなくなっちゃった〜。
「………君達には、分からせないといけないかな〜。」
盛り上がっている三人には、オレの呟きは聞こえなかった。
[*逃げる][堕ちる#]
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