DEATHGAME
◇
男の拳は真っ直ぐリン君に向かっていった。
誰もが当たる、そう確信した瞬間、
ガッ!
「……ふぅ、ギリギリだったな。」
男の拳を間一髪で止めたのは、俺様野郎こと、アレクだった。
「何だコイツ。目の焦点があってねぇぞ。」
アレクは拳を受け止めたまま、男を観察をした。
男の目は何処か遠くを見ているように焦点があってなく、口からは、よだれが垂れていた。
そして、未だブツブツと言い続けている。
「……うゎ、汚ねっ!気持ち悪ぃな!うらぁ!」
「うがぁっ!……ぅ、」
アレクは男の腕を掴み、そのまま背負い投げた。男は背中を打ち、気を失った。
ふ〜ん。さすがハートのトップなだけあるな〜。
……まぁ、俺様のことはどうでもいいけど、この男、確実に¨常習犯¨だねぇ。手がかりになるかもしれないし〜、欲しいな〜。
「ありがとう、アレク。お前強いな!」
「当たり前だろ、リン。アレクさんは俺達のトップだぞ。」
「大したことじゃねぇよ。お前等のこと守るって決めたしな。リン、怪我はないか?」
3人が会話をしているが、オレはこの男をどうしたら、引き取れるか考えていた。
「本当にコイツは何だ?リン、知り合いか?」
「いや、まったく。」
「だよな。」
3人は床に倒れている男を見る。先程の異常な行動に疑問がうまれているようだ。
でもこれ以上、関心を持たれるとやばいな〜。余計めんどくさくなりそ〜。
「考えても仕方ねぇな。コイツどうすっかな。」
所属を調べて見ると、スペードだった。
「スペード、アイツの所かよ。チッ、どういう躾してんだ。」
アレクは、ラウドに対して悪態をつく。
「お前に言われたくない。」
冷めた、鋭い声に場が凍りつく。現れたのはラウドだった。
「ラウドさん!?」
「おーおー、最近は随分と活動的だなぁ。」
「今日はお前にかまってる暇はない。ソイツをよこせ。」
「あ?コイツか?……コイツどうなってやがるんだ?いきなり襲いかかって来やがった。」
「お前等には、関係無いことだ。」
「なっ!?」
ラウドはそれからは何も答えず、倒れている男を肩に背負い、戻ってしまった。
すれ違う瞬間に聞こえた言葉。
『深夜、¨あの部屋¨で。』
[*逃げる][堕ちる#]
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