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DEATHGAME
僕は

それはいつもと同じ日常。


「にいちゃん。いってらっしゃい。」

「行ってきます。」


……いつもと同じ日常、のはずだった。






ターゲット発見。アイツなら金持ってそうだ。

数メートル先にいるおっさんに狙いを定め、走り出す。


ドン!


「っあ、すいません!」


ぶつかると同時に、男の懐から財布を抜き取り、すばやくその場を去った。




「ハァ、ハァ……ふぅ、ここまでくれば大丈夫だろ。今日の収穫はっと………、」


ある程度遠くまで来てから、財布の中身を確認した。


「えーと………っ!?か、らっぽ……?」


中身は空で何も入っていなかった。金もカードも領収書も何も。


「え?なんでから「そいつがフェイク、偽物だからだ。」っ!!?」

「取り押さえろ!」


俺は、あっさり警察に取り押さえられてしまった。


「この地域で、盗難が多発してるっつうんで来て見たら、こんなガキかよ。」

「観念しな、ガキ。おい、連れてけ。」


そんな、待ってくれよ!


「っオイ、はなせ、はなしてくれよぉ!!!」


俺は必死で暴れた。俺が捕まったらアイツ等は、弟達はどうなるんだ。


「待って、待ってくれよ!兄妹がいるんだ!アイツ等は俺の帰りを待ってる!!」


顔が歪む。俺は今どうしようもない顔をしているだろう。でも、これだけは、駄目なんだ。


「きょうだい?」

「あぁ!だから、だから…!」


ポン


「………安心しろ。そいつ等は俺達が必ず保護する。心配するな。」





頭に置かれた温もりに、



涙がこぼれた。



[*逃げる][堕ちる#]

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あきゅろす。
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