波瀾万丈学園生活
1
それは、突然のことだった。
「優ちゃん…急な話しなんだけどね。
私達、イタリアに引っ越そうと思うの!」
「…え。」
朝起きてきて最初に言われた母さんの発言に俺は耳を疑った。
「え。
ちょっ…いやいやいや!
なんで?!
どうしてそういう事になったの?!」
「それはね、お父さんがイタリアに住みたいって言ったからよ☆」
…え。
ちょっ…え?
「えっと…母さん。
キラキラと話すのはいいんだけどね?
…父さん、普通のサラリーマンだよね?
給料安かったよね?」
「そうね。
それがどうしたの?」
そ…それがって、母さん。
ちょっと待ってよ。
「いやいやいや!
出張で海外行くならまだわかったよ?!
でも、なんで住む?!
そんな金一体何処にあったんだよ!」
それがって惚ける母さんに、俺はまったくの息継ぎなしで言ってやった。
うん。
我ながら頑張ったよ。
でも、この親はまたも清々しく、あたかも当然のように話した。
「あら、そんなの。
お父さんが緋唯野グループの息子だからに決まってるじゃない☆
ほら、優ちゃんも行った事あるでしょ?
緋唯野御用達の垢唯温泉♪」
はい。
もちろん、俺はちゃんと耳を疑ったよ?
でも、一応言っておこう。
…は?
今、なんて言いました?
「母さん何それ?
俺、初耳なんだけど?」
「そりゃあ…言い忘れてたし、お父さんが言うと思ってたから放置しちゃった☆」
うん。
どうしてだろう。
生まれて初めて親に怒りが芽生えました。
そして思いっきり叫びました。
「放置しちゃった☆
じゃねーーーーーよっ!
んな大事な事なんで今まで話そうとしなかったよ?!」
「だって、聞いて来なかったし。」
「…っれが聞くか普通!
言われるまで全く気付かんわっ!」
「まぁまぁ。
優季、そこまで母さんをいじめるな。
母さん、可哀相じゃないか。」
俺が叫んでると、いつの間にか起きてお茶を啜ってる父さんがそこにいた。
それを見て、俺は無視することもなく…
「元はと言えばあんたが原因だろっ!
なに呑気に茶なんか飲んでんだよ!」
怒りをぶつけました☆
「いいじゃないか、お茶くらい…。
あ、母さん。
朝食。」
「はーい☆
今、作るわね?」
…根本的に無視。
泣いてもいいですか?
それから色々あって、朝食も終わり、荷造り中。
「俺、絶対行かない。」
俺はまだがんとして動かなかった。
「…優ちゃん。
これは決まった事なのよ?
いつまでも駄々をこねていないで早く荷造りしちゃいなさい。」
母さんがそういうのも無視して俺は行かないを連呼した。
そしたら、何故か父さんの方が折れてくれた。
「…仕方ない。
そこまで言うなら残りなさい。
ただし、条件付きでだ。」
というわけで。
父さんの出した―変装して、緋唯野グループが経営する全寮制のエスカレーター式学園に入るならここに残る事を許す。―
って言葉通り、今俺は変装して学園の前にいたりする。
…にしても。
「Σでけーよっ!
どうして学校なのにこんなにでかいんだよ!」
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