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"conflict"…in Echizen case




「ねぇ、何なのこれ?」
越前リョーマは奈々子さんに渡された本を見て不機嫌そうに呟いた。

「だって見てよこれ!今人気なんだけどねこの本! 手塚部長とリョーマさんみたいじゃない?」
リョーマの従姉である女子大生の奈々子はとある小説をリョーマに見せて目を輝かせていた。

「手塚部長もこんな風に笑えばもっとカッコイイのにね」
奈々子はそう言ってリョーマに挿絵の一場面を見せた。

そこには本当に手塚に似ている人が笑顔で微笑んでいた。

「っ……」
リョーマはその似ている絵が手塚のように見えてきて、まるで手塚が自分に笑いかけているような錯覚に陥った。

「リョーマさん達もこの話の通りになればいいのにな…」
奈々子がボソッと呟く。

「何それ?どういう話なの?」そういえばまだどんな内容なのかを聞いてはいなかった。

「この手塚部長に似ている人がリョーマさんに似ている人に告白して恋人になる話よ」
奈々子は絵を指差しながら楽しそうにリョーマに話した。

「はぁ? 奈々子さん馬鹿じゃないんスか?それ男同士じゃん…」
リョーマは奈々子を見上げて不機嫌そうに言った。


「あら、男同士でも好きなら別に関係ないのよ」
奈々子はまた笑顔でリョーマを見た。

「ふーん…あっそ…」
リョーマは部活に行く支度をしながら興味のない返事をした。

そして支度をすまして玄関を後にした。




-…本当何言ってんだか…あの人は…
リョーマは奈々子の言った言葉を頭で思い出しては掻き消した。

でも何度掻き消してもあの手塚に似た人が微笑んでる絵だけは消えてくれない…。

(部長が笑ったら…あんな風なのかな…)

いつもの手塚の険しい顔を見慣れているリョーマには手塚の笑った顔が想像出来なかったので脳裏に焼き付いたままだ…


俺にあんな風に笑ってくんないかな…


……………

…って俺何考えてんだろ…馬鹿みたい…
だいたい部長が笑うはずないしね…



リョーマは無意識のうちに手塚のことばかり考えていた。
そしてこのモヤモヤした感覚は何なのか…まだ分からないまま学校までの道を歩いていき青学のテニス部部室に入っていく。



……………*-+-*-+-*-+-*-

部活中…
リョーマは手塚のことが気になり手塚ばかりを見ていた。

(部長、不二先輩と話してる…
あ、また眉間にシワよせた…)

リョーマは練習をしながら手塚のひとつひとつの行動を見つめていた。
手塚がこっちを向いたら逆にこちらは反対を向いて手塚を見ていることを悟られないようにした。

だけど気になってもう一度手塚の方を見ると手塚もこっちを見ており目と目が合ってしまった。

次の瞬間、二人同時に逆の方向を向き練習を開始した。


その様子を見ていた不二はなんだかおかしくて一人でクスッと笑っていた。


そう、二人はまだ自分の気持ちに気付いていないのだ…。






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あきゅろす。
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