"conflict"
…in Tezuka case
「あ、手塚。今日は手塚にしては遅かったね」
部室に入るなり部品の整理をしている大石が手塚に声をかける。
「あぁ、ちょっと用事があってな…」
誰もあの本を読んでいて遅くなったとは言えないだろう。
「…では今日の練習メニューは今言った通りだ。では各自練習開始!」
手塚が部員の前で今日の練習の指示を出した。
その声に反応した部員達がそれぞれの練習をするためコートに散らばる。
手塚も練習を開始しようとする。………が、どうしても気になってしまう人がいた。
自然に越前リョーマに目がいってしまうのだ。
「手塚、どうしたの?さっきから越前ばっかに目がいってるけど…好きになっちゃった?」
不二がいつもの笑顔でもの凄いことを言ったもんだから手塚はびっくりした。そして眉間にシワをよせる。
「何を言ってるんだ不二、早く練習を開始しろ」
手塚は不二から去りながらそう言い放った。
---……好きになっちゃった?
不二のさっきの言葉が胸に突き刺さる。
俺が? 越前を?
相手は男だ。何を考えているんだ自分は…
しかし気になることは気になっていた。
いつも生意気な口調と目…
には似つかず可愛いらしい猫のような容貌…
小さい身長のため話(詳しく言えば、ただの練習の指示)をする時は俺を見上げてくる…
可愛い…?
何を思ってるんだ自分は…
だいたい男に「可愛い」という言葉を使うのが間違っているだろう…
そしてまたリョーマの方を見てみるとリョーマもこっちを見ていた。
手塚は慌てて目を反らし練習を開始した…。
手塚の表情には出さないが心の中での激しい葛藤はまだまだ続きそうだ。
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