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とにかく手塚は本のページを開いてみる。

…………





…………





「…なんだこれは…」
またしても手塚から出た言葉はその一言だった。


小説の内容を読み進んでいくと少年か少女か分からなかった子はどうやら少年のようだった。
そしてその少年は学校の同じ部活の部長に告白をされてその後…健全な男女交際(いや、この場合は男男交際?)ではない行為をし始めていた…。


その時点で読むのを止めればいいだけの話だが、一度読んでしまったら最後まで読んでしまわないと気がすまない性格だったため手塚はひたすらページを進めていく。

そのうちに挿絵に目がいき、また衝撃を受けた。

「っ……!!!」

その少年は眼鏡をかけた部長に犯されて泣かされている場面だった。
その少年の顔は越前に似ているため無意識のうちにその少年が越前のように思えてきてしまうのだ。

そして…いわゆる"攻め"という部長が手塚自身に物凄く似ていてまるで自分が越前を犯しているかのような感覚に一瞬だけ陥る。

「何を思ってるんだ俺は…」
手塚は軽く自嘲気味に笑って髪をかきあげた。


そしてふと時計を見るともう部活に行くために出発しなければならない時間になっていた。

手塚は急いでジャージに着替えてラケットバッグを持ち玄関から飛び出した。






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