First
「なんだこれは…」
ある日の休日の午前中…陽射しも高く暖かな陽気の中、一冊の本が手塚の顔を歪ませた。
それは手塚の母が間違えて買ってきてしまった本らしい…
手塚は読書が趣味で良く洋書や哲学など、様々なジャンルの本を読んでいた。
部活で忙しいため、読みたい本は母に買ってきてもらうことも多かった。
現に今日も午後から部活があるのだ。
しかし今日自分の部屋の机に置いてある本を見てびっくりした…というより良く意味が分からなかった。
机の上には5冊、本が綺麗に重なっている。
いや、それは何の問題はない。問題はその中の1冊の本なのだ。
「可愛い小猫の飼い方…」
手塚はぽつりとその本の題名を口に出す。
その本は題名からして中身は猫の写真があったりするのかと思えば、どうやら小説らしい。
小説の表紙は女の子か男の子か分からない程の中性的で可愛い子供が猫耳をつけて手錠をかけられている絵が描かれていた。目も猫目で釣り上がっているが大きくてつぶらで…
手塚はかすかにその表紙に描かれていた少女と言えばいいのか少年と言えばいいのか分からない人を
越前リョーマに似てるな…と頭の中で考えた。
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