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一方その頃のリョーマはというと待ち合わせの30分も早く神社の裏の公園についてしまっていた。
手塚といけることが楽しみで楽しみで早くに家を出てしまった。
そんな自分をちょっと恥ずかしがりながらもリョーマはブランコに腰掛けて軽くブランコに揺れながら手塚を待っていた。

ちなみに今日のリョーマの恰好は奈々子さんに無理やり着せられた浴衣姿だった。
リョーマは頑なに嫌だと言ったのだが奈々子さんはそんなリョーマに白い布に花や金魚などがピンク系の色遣いで綺麗に描かれている可愛らしい浴衣を着せてあげた。

そのリョーマの姿は可愛らしくて、女の子のようにも見える。
手塚部長が見たらどんな反応をしめすだろうか…。
実はそんなことをニヤニヤ考えながら奈々子さんはリョーマに着つけていたとはだれも知らない。

「部長遅いなー・・・あ、俺が早すぎたんだっけ・・・」
リョーマはブランコを揺らしながら呟いた。
しかしそのブランコの緩やかな揺れは急に見知らぬ男たちによって止められた。



ガタッ…
何者かによって急にブランコの揺れをとめられたリョーマはずっと下を向いていた頭を上にやってみる。
すると手塚には似ても似つかない汚いイメージの街で言うちゃらちゃらした男たちが自分を取り囲んでいることに気付いた。

「ちょ・・・何?」
リョーマは急にブランコを止められたこともそうだし4人ほどのガラの悪い男たちが自分を取り囲んでニヤニヤ笑っていることに腹が立って睨んでいた。

「可愛いねー。何?一人?それなら俺たちと遊ばない?」
その中の一人の男がそう言ってリョーマの顔に触れた。

「っ! 触んなっ!」
リョーマはその手を払いのけて立ち上がろうとした。
だが長身の4人相手にリョーマはどうすることも出来ずに走って逃げようとしたのに足がすくんで走りだせなくなってしまった。

その様子を見た4人はリョーマをまたブランコに座らせて再び取り囲んでいた。








その頃手塚はというと…
やっとリョーマの家にたどりついたところだった。
しかしリョーマはもう出たと奈々子さんから聞いた途端にまた走り出していた。
リョーマはきっと今日のことを楽しみにしていたから早く出たのに違いない。
それなのに俺は…。
手塚は自分の不甲斐無さに胸を痛ませながら今度は待ち合わせ場所へと急いだ。











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あきゅろす。
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