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「部長、何食べたい?」
急にそんなことをリョーマに昼食の時間に聞かれて一瞬手塚は答えにつまった。
 
今は昼食の時間。
青学の生徒達はそれぞれ好きなところで昼食をとっていた。
手塚とリョーマは生徒会室でいつものようにお昼休みを過ごしていた。
本当はダメなのだが、手塚が生徒会長ということもあってそれが許されていた。
 
「何がだ?」
今現在お弁当を食べているのにそんな質問をしてくるリョーマを不思議に思って、
手塚は一瞬箸を持つ手を止めた。
 
「明日のことッス!!」
リョーマは止まったままの手塚に思い出させるためにちょっと大きな声でそう言った。
 
そう。明日ははついに待ちに待った夏祭りの日なのだ。
リョーマはそのことを考えて胸を躍らせているらしい。
いつもよりうきうきしていた。
 
「あぁ。夏祭りのことか」
手塚はリョーマに言われて思い出した様子で止まったままだった箸を動かし始めた。
 
「部長から誘ったんだからね? それで忘れたんスか?」
リョーマは手塚のそっけない態度に少し顔を膨らませ気味になりながらそう呟いた。
 
「いや、忘れていない。それで・・・何が食べたいか。か・・・」
手塚はリョーマの機嫌を直すためにリョーマの質問に答えようと考え込んだ。
しかし手塚より先にリョーマが声を発していた。
 「絶対かき氷は買う。あといちご飴と綿あめも買って、ついでにチョコバナナも買って
射的とくじ引きとあと・・・」
リョーマが考え込みながら発した言葉に手塚は
「あぁ、明日は女子の買い物に付き合う男の気分が味わえるな・・・」と思っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
「それじゃあ明日は神社の裏の公園で午後6時に待ち合わせね」
リョーマは手塚と歩いて帰っていた帰り道の別れ際でそう言った。
 
「あぁ、分かっている」
手塚ははしゃいだ様子のリョーマを可愛いなと思いながらも顔には出さず涼しい顔のままでそう言った。
 
「部長、遅れないでよ?」
そしてリョーマはそんな手塚に念を押すようにそう言い残して帰って行った。
 
いつも遅れるのはお前の方だろう。
手塚はそう思いながらも、いつも待ち合わせには遅れながらも息を切らして走ってくる
リョーマの姿が目に焼き付いていた。
もちろんいつも遅刻の原因は寝坊なのだが、寝ぐせをつけたまま走ってきたときは流石に
笑ってしまった。
その後笑ったことに対して怒られたが・・・。
あと待ち合わせの時目立ちすぎとかで怒られたこともあった。
背が高いから目立つのはあたりまえだと言ったら違うと言っていたがあれは結局
何故リョーマが俺のことを目立つと言ったのかはまだ分からない。
 
そんな事を考えているうちに手塚は家に着いていた。
そして明日のために手塚は早く眠るのだった。
 
一方リョーマはというと明日の事を考えて眠れないでいた。
手塚と初めて夏祭りに行くという気持ちや、手塚は射的うまそうだから欲しいものとって
もらおうとか(確実にリョーマの想像だが・・・)
一緒に花火もしたいな、など明日のことを考えすぎていた。
そんなリョーマが眠りについたのは結局朝日が昇ってからだったり!?
 
 
 
 
 
 


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あきゅろす。
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