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うわ…可愛い…
寝てやがる…
このまま寝かしといてやりてーけどな…



桃城は木陰にもたれて小さな寝息を立てて寝ているリョーマを見つけてしばらくそのリョーマの様子を見つめたままだった。
本当は早く起こして部活に連れて行かないと遅れて罰として走らされてしまうのだが…

この可愛い少年の眠りを妨げるのはちょっとな…。
と考えてしまう桃城だった。




それにしても…
越前って何でこんなに可愛いんだ…?
生意気なところもそれもまた可愛いっつーか





「ねぇ…」

そんな桃城の心を知らないリョーマは目を覚まして自分の前でぶつぶつ言いながらにやけたりしている男を不審に思って問い掛けた。





そうそう。
いつも何か言うときは「ねぇ、」って問い掛けてきて…
そこも強気な感じで可愛いんだよなー…





「ねぇ!!」
リョーマは話しかけてもやはり上の空な桃城に嫌気がさしてさっきより大きな声で桃城を呼んだ。



「え?!」
やっとそこで桃城はリョーマが起きていることを確認し目を見開いてビックリしていた。


「"え?"じゃないッスよ!さっきから人が話してんのに無視ってなんなんスか…?」

リョーマは桃城の態度に少々ご立腹のようだ。


「いや、無視はしてねーよ。ただ…なんだ…」
リョーマの視線が突き刺さって痛い。痛すぎる


「"ただ…"なんスか?」
そんな桃城の気も知らずにリョーマは桃城の顔をぶすっとした表情で見ていた。


「お、お前を起こそうとしてやったんだよ!この優しい先輩を敬え!!」
苦し紛れにそう言った。
本当はリョーマに見とれていた。が…そんなことは口が裂けても言えない。


「じゃあもうちょっと普通に起こして下さいッスよ…なんか…この頃桃先輩おかしいッスよ?」
リョーマは立ち上がりながらそう言った。
リョーマは最近の桃城の自分に対する態度がおかしいことを薄々気付いていたのだ。


話すとき、前みたいに目を見て話してくれないしどこか挙動不審なんだよね。
今だってなんかあたふたしてるし…
熱でもあるのかな


ゴツン…。


リョーマは自分のおでこをまだ座りこんだままの桃城のおでこにくっつけて熱を計った。

別にリョーマは特別意識してやった行動でもないし何でもない行為だと思っていた。

だが桃城は違っていた。




え…ち…ぜん!?
お前…何やってんだ?
こんなに顔が近くで…
でも、やっぱ近くで見れば見るほど可愛くてたまんねー…


そんな想いが桃城の中を駆け巡りついリョーマの顔に手を伸ばしかけたときだった。



「熱…無いッスね」
そう言いながらリョーマはおでこを離してしまった。


「熱無いんだったらいつも通りの桃先輩に早く戻ってよね」
リョーマはそう言って部室の方へと歩いて行った。

その後ろ姿を見送りながら桃城は自分のおでこに手をやり今の出来事をひたすら冷静になって分析するしか出来なかった。




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あきゅろす。
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