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「…で、…ってことはもう記憶戻ったんだよな手塚?」
「あぁ。だからそう言っただろ」
部室で着替えをしている手塚に部員達が質問攻めをする。
部員達もなんだかんだ言ってリョーマのことが心配だったらしい。
そのことを聞いてほっとしていた。
…と、その時
部室のドアがガチャと音を立てて開いたかと思うとリョーマが入ってきた。
「おチビー!!!もういつものおチビなんだよね??」
「心配したんだぜー?」
「その目つきからしていつもの越前リョーマに戻った確率100%だな…」
部員達はリョーマに詰め寄り心から本当のリョーマになったのを喜んでいた。
「で、どんなことをしたら越前の記憶が戻ったんだい手塚?」
そんな幸せムードに浸っていた部員達とは違って知らぬ間に不二が手塚の横に立ち微笑みながらこっちを見ていた。
「それは…」
手塚は自分がしたことを思い出して顔を歪ませていた
「それは…?」
そんなことも分かってか不二は手塚の様子を面白がっていた。
やっぱり不二は黒い。
その笑顔の奥にはいったい何が…!?
「部長は…俺に入れてくれたんスよ」
…とその時リョーマが手塚と不二の間に歩いてきて恥ずかしそうにそう言った。
まさか直接的すぎるそんな表現の言葉がリョーマの口から出てくるとは流石の不二も思っていなかったらしく黒い不二様までもビックリしていた。
一方、手塚はと言うと言葉も出ないぐらいにビックリしてリョーマを見ていた。
「越前…手塚は何を入れたんだい?」
不二はビックリしていた様子から直ぐさま切り替えてリョーマの肩を掴み何を入れたのかを聞きだそうとしていた。
「部長は…」
「部長は…?」
緊迫した空気が張り詰めた。
勿論、他の部員達もその様子を見ていた。
乾にいたってはノートまで準備している。
「っ…リョーマっ!! ちょっと来い!!」
その空気に耐え切れずずっとフリーズしたままだった手塚がリョーマの腕を掴んで部室から飛び出そうとした。
「不二先輩っ! 何入れてくれたかは…部長と俺だけの秘密ッスよ!」
リョーマは手塚に引きずられながら部室を出る直前にそう言って部室から手塚と共に出て行った。
「手塚…やっぱりしたんだね」
不二はニコニコしながら二人の姿を見送った後ボソッとそう言った。
「手塚も意外とやるにゃー」
「やるッスねー」
「手塚が越前に…」
「あ、乾、それ以上は放送禁止だから言わない方が…」
乾の書く手を大石が止める
「まぁ…とにかく越前の記憶が戻ったのは喜ばしいことなんだからそれで良かったじゃないか!」
最後に青学の母がそう場を和ませて部員達は納得した様子で部室を出て行った。
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