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「部長さんは…僕の家に来たことはあるんですよね?」

部員達が帰り、夕食もご馳走になってお風呂も貸してもらい
ただ今、リョーマの部屋で二人っきりの状況にいたる。

着替えはリョーマの父のものを貸してもらっている。
手塚の身長だからピッタリだった。

それにしても…
一緒にお風呂に入ろう。と言われた時は一番焦った。
俺が必死で断ったから無事一人で入ることが出来たが…。


「あぁ…。あるが…」
手塚は視線を一瞬ベッドに向けてそう言った。
"この前もお前をそこで抱いた"などとは言えないだろうな…
と思いながら…。


「部長さんって…おっきいですよね?」
そんなことを考えていると急にリョーマは手塚の横に来て手塚の身長と自分の身長を座ったまま比べるように手塚を見回した。


「そうか? まぁ…標準よりは大きいと思うが…」

手塚は見つめてくるリョーマを見返してそう言った。


「いいな、僕も身長大きくなりたかったです…。あ、部長さんの眼鏡っ……、わっ!!!」

「危ないっ!!」


そしてリョーマは急に手塚の眼鏡を奪おうとして体勢を変えたが姿勢を崩して手塚の胸に埋もれてしまった。


「大丈夫か?」

手塚はリョーマを腕に抱きしめたままそう呟いた。
ずっと触れることが出来なかった分を噛み締めるように強く抱きしめていた。


「痛い…で…すっ」
リョーマは手塚の腕の力の強さに顔を歪めて手塚を見上げた。

リョーマは不思議な感覚だった。
腕の力の強さに顔は歪めたが手塚の腕の中は驚くほど落ち着いて…ずっとこのままがいいと思うほどだった。
懐かしいような…安心するような体温で…


そして手塚はリョーマの訴えを聞いて腕の強さを弱めた。
…が力を弱めただけで抱きしめたままだ。


「部長…さん…?」
リョーマは手塚の切羽詰まったような顔を見て不思議に思って手塚の顔を下から覗き込んだ。

「リョーマ…」
手塚はそう囁いてリョーマの唇を塞いだ。
次第に手塚の舌がリョーマの口内に入っていき縦横無尽にリョーマの中を貪った。

「んっ…ん…っ…」
リョーマは突然の出来事にびっくりした様子だったが次第に手塚の舌の刺激に顔を赤くさせて手塚の服を掴んだ。



「すまない…。お前は記憶をなくしているから覚えていないだろうが…俺とお前は恋人同士なんだ。お前に記憶が無いのにこんなことをして…」

しばらくして唇が離れてから手塚はリョーマから目を背けて自分を恥じるように呟いた。


「僕が…部長さんと?」


「あぁ…」



「僕…もっとして欲しいです。何か思い出しそう…。僕…部長さんと居ると何だか楽しいんです。」

リョーマは恥じらっているのか顔を真っ赤にして震えながら上目遣いで手塚を見た。


「リョーマ…。本当にいいのか?」
手塚がリョーマの腰に手を回して引き寄せた。
そして手塚はリョーマの答えを目で見つめて待つ。

リョーマはコクリと頭を動かして "うん"という動作を表した。


それを見て手塚はリョーマを軽々と抱き上げてベッドに運んだ。

「あまり…声は出すなよ。リョーマ…。下にはお前の両親が居るのだからな…?」
手塚はリョーマの耳元で低くそう囁いてリョーマを押し倒した。


「え? そんな…僕…」
リョーマは押し倒されながら
"声"とは何のことだろうと考えた。
だけども手塚の低くて安心する声に体からゾクッとした疼きが生まれ何も考えられなくなっていった。








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