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「とにかく話しかけることが大切だよな」
「そうッスね…だけどあの性格の越前は話しにくいッス」
「確かにな。だけど怯んでちゃいけねーな、いけねーよ!!」
リョーマが記憶をなくした日から一日が経って
レギュラーメンバーはリョーマの家の前で緊張気味だった。
リョーマの父には昨日のうちに明日リョーマに会いに行くことは伝えていたんだが…
なかなかインターホンを押すことが出来ない。
…と、その時
玄関からリョーマが出て来てこちらに走ってきた。
「皆さん来てくれたんですね!有難うございます!!早く入って下さい!」
そう言ってニコッとリョーマは微笑んだ。
「手塚…。ごめん、今の越前可愛いすぎて僕クラッときたんだけど…」
不二は半ばからかい気味に手塚を見上げてそう言った。
しかし手塚は不二以上に大ダメージをくらって動作が止まったままだった。
リョーマの笑顔なんて…
そりゃあ恋人同士になったんだからたまには見るが…
俺だけに見せていた笑顔なのに…
手塚の中で素直にリョーマの笑顔を久しぶりに見れた。という嬉しさとリョーマに対する独占欲が膨れあがった。
目の前に愛する人がいるのに抱きしめることも…
触れることさえこの状況では出来ない。
全て俺のせいだ…
手塚は眉間にシワを寄せて考え込んだままの表情だった。
「部長さん!! どうしたんですか? せっかくカッコイイ顔なのにそんな顔してたら勿体ないですよ」
そんな手塚を見てリョーマは手塚の前に立ち、またニコッと笑ってそう言った。
「………」
手塚は色んな衝撃で口を開くことが出来ないでいた。
+-*-+-*-+-*-
とりあえずリョーマの家に入りメンバー達は必死に話しかけた。
リョーマの前の生意気な性格や話し方などを。
「僕…そんなことしてたんですか? すいませんでした。年上の人達なのに…」
リョーマはその話しを聞いてから部員に謝った。
非常にリョーマらしくない行為で部員達は逆に戸惑いっぱなしだ。
「まぁ…でも無理せずゆっくり思い出していけばいいんじゃないかな?」
そこで大石が場の雰囲気を和ませるためにそう言った。
部員達も頷いていた。
勿論手塚も…。
今のこの状況ではそうするしかない。
それに俺は待っている
リョーマが記憶を取り戻すまで…。
どれだけ時間がかかろうと俺はリョーマを想っていよう。
手塚はそう思いながらリョーマのことを見ていた。
それに礼儀正しいリョーマもなかなか可愛い。と思っていた手塚だった。
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