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青学のテニス部コート。
今日もテニス部メンバー達が練習をしている。
そんないつもの日常に突然、手塚の声が響いた。
「危ない!!!リョーマっ!!!」
メンバーの前なのに名字ではなくつい、いつものように名前で叫んでしまったのは手塚が動揺しているからだ。
何故なら手塚が打ったテニスボールが隣のコートにいるリョーマ目掛けて飛んでいったからだ。
そして手塚の声にリョーマが振り向くも間に合わずボールがリョーマの頭に当たった。
「痛っ…」
リョーマは当たった瞬間頭を押さえて倒れてしまった。
速度にしては速さはあまりないが頭に当たったのだ。
危険なことに変わりはない。
真っ先に手塚がリョーマに駆け寄り声をかける。
「リョーマ!!!おいっ!!リョーマ!!!」
しかしリョーマに反応はない。
「とりあえず俺が医務室に行って先生を呼んでこよう。それまではへたに動かさない方がいいよ。」
珍しく動揺している手塚に大石が近寄ってきてそう言った。
そして走って医務室の方へ行った。
「おチビー…大丈夫かな…」
「あぁ、しかし頭に当たったからな…」
菊丸と乾がリョーマの横にしゃがみ込んでリョーマの顔をじっと見た。
他のメンバーもリョーマの周りに集まって心配そうにしている。
その間、手塚は放心状態のままだ。
恋人に悪気は無いとはいえテニスボールを当ててしまったのだ。
それに倒れてしまっている。
もしリョーマに何かあったら…。
手塚はそんなことばかりを考えて自分を責め続けていた。
そんな時、手塚の肩に手が優しく置かれた。
振り返ると不二が微笑んでいた。
「大丈夫だよ手塚。軽く当たっただけだから君の心配してるようなことはならないと思うよ」
不二は優しく微笑んでそう言った。
「あぁ…。しかし…」
しかし手塚は不安そうにリョーマを見つめたままだ。
そうしているうちに医務室の先生と救急隊員がやって来てリョーマが救急車に運ばれた。
「すいません!!俺もついて行かせて下さい!!俺が打ったせいで…っ!!」
手塚が運ばれて行くリョーマを見て救急隊員にそう訴えた。
そうして手塚も救急車に乗りこみ病院へ向かった。
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