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First




テニス部部室…
もう部員は全員帰りシーンとした静けさの中…
リョーマは手塚の方を向いて言った。



「部長…俺…」
リョーマは緊迫した表情で手塚を見つめる。

「なんだ?」
そんなリョーマを静かに見下ろしながら手塚は呟く


「俺、あんたのその眼鏡奪ってやるッスよ!」
(青学の柱を奪うと言った時のように…)










   〜部長のメガネ〜










「だが、お前の身長では無理だろう?」
手塚は冷静に一番リョーマが気にしていることを口に出す。


そうだ。手塚とリョーマは28aも身長差があるのだ。
手塚が179a。
リョーマが151a…。
どう手を伸ばしても手塚から眼鏡を奪うことは出来ない。
もし届いたとしても無理矢理奪えば手塚の顔に傷をつけてしまうかもしれない。
それに手塚がリョーマの手から避ければ奪うことはまた困難になる。



「へー…眼鏡奪うのって身長で決まるんだ? 眼鏡奪うのに身長は関係ないッスよ」


なんかどこかで聞き覚えのある台詞だな…
確か亜久津と戦った時に壇くんに………
いや、気のせいだろう。
そういうことにしておこう。


しかしテニスには身長は関係無いが、眼鏡奪うのには関係かなり大アリだと思う手塚だった。

そもそもどう考えてもそうだろう…。
もし乾が言い出したらあいつは確か184aあったから眼鏡を奪うのは比較的楽だろう。
それがリョーマとなると…無理だろうな…。



ん? そもそも何故この可愛い恋人は急に眼鏡を奪うなどと言っているのだろうか…?
しかし、可愛いから許してしまう俺も俺だが…。


手塚はリョーマが急に言い出したことを不思議に思っていた。

「じゃあ部長、帰ろう」
リョーマはその言葉を言い終わったら満足したのか手塚の腕をとって部室を出ようとした。


「あぁ」
俺はこの小さい恋人に振り回されてばかりだな…。
と思いながら部室のカギをしめる手塚だった。



恋人になってからというもの
リョーマは何かと俺を振り回した。
リョーマが飼っているカルピンが居なくなったと泣きながら電話が来た時には勉強中にも係わらず外を出て捜しまわった。

部活中に部室で行為をしたこともあったな…
あの時はリョーマから誘ってきたんだが俺の方が理性を無くしてリョーマを最後まで犯してしまったな…。
あのあと機嫌を取り戻すのは大変だった。
しかしリョーマが可愛いのが悪いと片付けてしまう手塚も手塚でリョーマにベタ惚れだ。


「今はその"眼鏡奪いゲーム"とやらはやらないのか?」

手塚は帰り道を歩きながら隣に目をやりリョーマを見る。


「明日からッスよ」
リョーマは手塚を見上げて楽しそうに笑った。


「そうか。しかしその眼鏡をとられたあと俺には罰ゲームなどはあるのか?」
手塚はもしとられたあとのことを想像してそう言った。
まぁ、とられることは無いと思うのだが…。


「あるッスよ」
リョーマは引き続き手塚の顔を見上げて言った。


「俺は何をするんだ?」


「まだ教えないッス」
リョーマは何か楽しそうにそう言った。


リョーマが何を企んでいるのかがまったく分からないが…
楽しそうにしている恋人を見て悪い気はしないな…。


と思いながら手塚は帰り道を二人で歩いていった。






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あきゅろす。
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